昼過ぎサブアラドDrから電話があり松浩Drの父親が亡くなったと教えてくれた。松浩Drは私の第二内科内視鏡グループの同期であり、サブアラドDrとは中学同級生でもあった。夕方、通夜にすぐ出ようと思ったがアロハを着ていたので一旦帰宅し着替えて祭場に向かった。ちょうど玄関前でサブアラドDrと出くわし彼はお悔やみが済んで帰るところだった。私は少し遅れたようだ。通夜の席に行ってみるともうだいぶはけていて一部の人しか残っていなかった。松浩Drは相変わらず年より若くイケメンぶりも変わらない。父君も高齢で大往生だったとの認識かあっさりした態度だった。
焼香しお茶席に行くと、これまた内視鏡グループの後輩のエイデンDrが座っていて「おお、久しぶり」と少し話に興じた。彼は奥さん(だと思う)といっしょに来ていた。近況の話題などありきたりの話から始まり、そのうち誰それの消息の話題となり、そこでぴたっと内視鏡グループの雉子蔵Drのところで止まった。雉子蔵Drは今どうしている。同期だったエイデンDrは「去年会った」とのこと。で?。ああ、相変わらずあっちの世界にいるよ。やっぱり。
雉子蔵Drはナイスガイなんだ。スポーツは万能、人付き合いもいいし、私もカールも世話になったことがある。でも・・。どうしても不思議な世界へのあこがれがあるのか、人の話を信じやすいのか、医療の世界では代替療法といわれる治療世界へ飛び込んでいくし、怪しい宗教がらみを信じ、その世界を実行すべく邁進していったため、普通の医療の世界にいる我々とは自然疎遠になっていった。
私が驚いたのは、30年も前TV朝日深夜番組「トゥナイト」で紹介されたフィリピンの怪しげな内臓を取り出す治療(術者が患者の皮膚の上から怪しげな手つきでもみもみすると悪い部分の内臓が取り出されるが不思議にも傷跡が残らないという明かにインチキ)それを彼はこれはと思ってフィリピンにまで行ってしまうというその信じやすさと行動力だった。エイデンDrに言わせると「サイババにも行ったよ」とのことだ。なるほど。
その後は身体に効く水だが塩だか、健康食品の錠剤だとか私に言わせれば悪徳業者の言うことを信じ医者の肩書きを利用されているだけなのだが、本人はいたってまじめに信じている。エイデンDrや内金Drなど直々に考え直すように諭したこともあったが彼は改めなかった。私は彼から直接聞いたことがある。「色々、批判を頂いていますっ」そう言いつつ自分の姿勢を改める気はないと言明していた。私は何も言わなかった。基本的にはその手のものは大嫌い、全く信じてさえいない。これまでのこてる日記を読んでいる人なら分かってもらえるだろう。でもあちらの世界にどっぷりの人にいくら諭しても労多くしてーだからだ。
「それで最近はどうしているんだ」「うん、それが手かざしに行き着いているよ」と。手かざしをする宗教にハマっていて「自分はこれをするために生まれてきた」とまで言っているらしい。そして盛んにエイデンDrも勧誘したという。彼は当然やんわり断ったそうだ。そしてそこで聞いた話、警察にも彼同様手かざしにハマっているお方がいるという。休みの日に公民館かどこかで手かざし治療を無料(お金などは施された人が気持ちで渡すのみ)を行っていてそれがすごいパワーの持ち主なんだとか。エイデンDrが雉子蔵Drに「どれくらいすごいかだなー」と聞いた例が確かにすごかった。
「ほら、最近鹿児島に台風がほとんどやって来ないって思わないか」「そうだよな、来ても弱々しい台風とも言えない低気圧ばっかしだわな・・」と私。
!!・・まさかっ!「そうなんだよ、雉子蔵が言うにはそのお方がこうして」と手をかざす真似をして「大隅半島前付近でブロックしているんだってさ」
これを聞いた私、「そうかっ、そうだったのか。それで台風がこの10年来なくなっていたのかっ!」これにおとなしく聞いていたエイデン妻が吹き出した。さらに私は「いやー、今日は通夜に来て良かった。来た甲斐があったよー、手かざしパワーのおかげだったんだ」とさらに悪ノリ。いやはや、信じるものは救われる・・ではなく、いつまでもダマされるのである。
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