2024年6月14日金曜日

入院患者数は昨日と変わってはいないけれど

今日は典型的な忙し青雲会だった。

そもそも外来患者が多かった上に、可愛いんだ理事長が休みだったこともあり、定期受診患者も救急患者も多数診る羽目になった。そのうち3人が消化管出血疑いの貧血患者で他施設からの紹介患者もいた。貧血患者3人のうち中年男性は絶対入院だろうと内視鏡をすると確かに出血性胃潰瘍の所見はあったのだが、すでに出血は止まっていてぎりぎり外来でフォローアップできそうだった。そのことを伝えると、その患者はホッとして「明日から長距離は大丈夫でしょうかね」と言ってきた。なんと仕事は長距離ドライバーでこんな状況なのにまだ「仕事をー」ということか。日本人は仕事中毒と諸外国から言われるけるワケが分かるわ。「お勧め出来ない。会社と相談して少し休んだ方がいい」と処方とアドバイスはしたがどうだったか・・。

某施設入所の高齢女性患者が車椅子で職員に付き添われ受診して来た。今月始めに新型コロナに罹ってそれは治ったはずだが食欲不振と体重5kg増加があるという。ともかく診察をし採血と腹部CTを指示しておいた。他の患者さんを診ている間にその結果が出た。コロナの影響はないようだが採血で炎症反応が異常に高い。職員は「肺炎は?あるいは腹水がたまっているのでは」と気にしていたが、膀胱が異常に膨満し腎臓まで尿が停留していた。これは泌尿器科だ。直接PHSで泌尿器科に連絡し「泌尿器科的処置が必要」と、少し戸惑っている合い言葉Drを押し切った。結果は私の予想どおり。後で外来のホットウォーターNsが「先生、ミルクセーキでした。いっぱい出てきて1400mlもありましたよ」と。ミルクセーキとは言い得て妙だ。要するに膀胱の働きが悪く感染して膿尿を伴う急性腎盂腎炎だったのだ。そうじゃないかなと思っても処置は泌尿器科でないとー。問診で職員が強調していた新型コロナ感染はいわゆるノイズだったのだ。

夕方にはまだ未実施の上部消化管内視鏡を3件やり、3人のうち1人はそれまで胃カメラ歴が全くなく、イヤな予感どおり結果は進行胃癌だった。男性で貧血を起こす人には胃や大腸の癌を頭に入れておかねばならない。これは夕方のうちに外科Drにその後を託した。結局たくさん重症患者を診たようだったが入院担当は1人だけとなった。他、入院患者で婦人科に紹介していた高齢女性は子宮の病変という私の見立ては当たっていた。また血液疾患で入院していたこれも高齢女性は胆嚢炎を起こしているとして外科に依頼し外科転科となった。

結局、私の入院担当患者数は差し引き変わらず。その結果だけみれば仕事は増えも減りもしていないように見える。しかし内実はそうではないとこの日記を読んでいる人は分かってくれるはず、だよね。

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