2023年7月29日土曜日

油断するな、実は「たいした病気」

今日の土曜午前は外来業務だった。

まずは38歳男性。昨夜自宅にて急に胸痛が起きた。その後良くなったりまた痛くなったりするという。診察した感じではさほど緊急性はないように思えた。年も若いし、単なる筋肉痛、神経痛、あるいは逆流性食道炎もある。

「でもですね、症状の出た場所が場所だから心臓疾患はきちんと調べておかないといけない。他の病気はともかく命に関わる場合がありますから」と、内心、まず心筋梗塞はないが、わざわざ病院にまで来た患者さんだから一応は調べとかないとぐらいの気持ちだった。

結果は、なんと「下壁心筋梗塞」ゲゲッ!

発症から12時間経過しているので心電図にきれいにその波形が出ていた。青雲会病院では治療は出来ないので、鹿児島市内の天妖怪病院へ紹介、救急搬送となった。ホッ。

普通の外来診察をしている間にも救急要請が来たと連絡が入る。リバサイシ看護師が「発熱あって、喉が痛い、倦怠感があるとかいう若い女性なんですが、これはまずコロナじゃないかと思います。救急外来に入れる前にコロナのチェックをしときますか?」と私に尋ねる。「おお、そうしてくれ」「分かりました」その15分後くらい、「やっぱりコロナ出ました」「うわ、そうか」毎日のようにコロナ患者を診ている看護師らしい判断だった。

工事現場で脚が吊るとのことで来院した35歳男性、体温が37.8℃というから念のためにコロナ検査を指示しておいた。結果はなんとコロナ陽性。え、熱中症じゃなかったの?!

また救急要請。イオンのソファでぐったりしている70代女性、朝6時から10時くらいまで清掃作業をしていたという。体温は36℃以下で発熱はない。搬送してよいか。OKだ。この患者さんは救急外来に入って来た。西友Nsが近寄って問診をし始めたが、ベテランのカッコちゃんNsが「この人も念のためコロナチェックをした方が・・」と提案、私が「そうだな、念のためだ、やっておこう」結果、ぬぁんとこの人もコロナ陽性だった。熱中症ではなくコロナのせいでぐったりとなっていたのだ。西友Nsに「ちょっと西友さん、コロナに接触しちゃったんじゃない?」と言うと「ああ、そうですね。でも大丈夫です。私、先週始めにコロナに罹っていますから〜」「あ!だったネー(笑)」

恐ろしいことに症状のバリエーションは違えど、今日の具合の悪い人の大半がコロナだったわ。

最後に右上腹部痛が最近あるという60代男性。訴えから予想するに胆嚢胆石かなと思い、採血と腹部CTを指示した。胃カメラも考えたが、土曜日は当院では基本やっていない。13年前に一度私の外来を受診した人で、その時に胃カメラを勧めていたが、聞けば以前某病院で受けた胃カメラがきつくて「考えます」とは言ったもののその後受診はしていなかった。今回が13年ぶりだった。で、腹部CTを一瞥(いちべつ)して愕然とした。肝臓に転移性腫瘍がたくさん散らばっていたのだ。これは・・他部位に癌が間違いなくあるケースで、来週、胃カメラと大腸内視鏡をしましょうと、少し嫌がるそぶりの患者さんを強く説得し納得させた。

いや〜今日は、問診や電話受付レベルでは「たいしたことないだろう」が実は「たいした病気」のパターンばっかりだった。検査って大事だし、嫌がらずにどんどん受けて欲しいものだ。

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