2022年2月9日水曜日

韓ドラ「ストーブリーグ」

UーNEXTで韓ドラ「ストーブリーグ」(2019:SBS)を見終わった。このドラマ、韓ドラ雑誌で数年前に面白いと話題になっていた。その年のSBS放送局のドラマ大賞も獲っている。スポーツ(野球)を題材にしたドラマとしてもチャン・ドンゴンの「ファイナルジャンプ」以来25年ぶりだったそうだ。面白いのはそもそもがライバル局のMBCが募集した脚本賞の作品だったにもかかわらず「スポーツものは視聴率が取れない」といった事情でお蔵入りになっていたのをSBSがドラマ化したのだという。

主役はナムグン・ミンで彼はここ最近出る作品すべてヒットを飛ばしている(私が視聴したのは「キム課長とソ理事」)。タイトルを見れば分かるようにプロ野球のオフシーズンの様子を描いたドラマだ。以下は公式ホームページからのドラマの紹介文だ。過不足無くこのドラマの特徴を押さえている。

万年最下位のプロ野球チーム「ドリームズ」は、チーム内での対立やミスを連発する選手たちなど問題だらけ。そんなドリームズをたてなおすためにやってきたのは、なんと野球未経験のゼネラルマネージャー、ペク・スンス(ナムグン・ミン)。野球経験こそないが、これまで数多くのスポーツチームを優勝に導いてきた“優勝請負人”の彼は、腐った根っこからチームを正すべく、選手やフロント陣と対立しながらも型破りな改革を進める。果たしてチームを優勝に導くことができるのか――? 

既存の野球ドラマのように選手がメインではなく、主人公として描かれるのはGMを始め球団を運営するスタッフたち。プレーオフ中の手に汗握る契約交渉や斬新な経営戦略は見ごたえ十分で、スポーツドラマとしてだけではなく、企業ドラマとしても爽快感100%! 立ちはだかる壁に挑み、逆境を跳ね返していく前人未踏の挑戦に胸が熱くなる! また、登場人物1人1人が抱える悩みや家族問題の描写にも共感ポイントが満載で、彼らの頑張りに勇気づけられること間違いなし。実際の球団内部を覗いたようなリアルを味わえることも魅力的で、日韓の野球事情の類似点や相違点を見つけるのも面白い!

まさしくその通りで全16話(32話に分けて配信)を様々なエピソードを面白くまた企業ドラマとしてもためになるような含蓄に富む内容でまとめていた。ナムグン・ミンの感情を抑えた演技も素晴らしく、毎回予想を覆す展開と出演者たちの光る名演技で、第1話で5.5%ほどだった視聴率は見る見るうちに上昇し、最終話では19.1%を記録し、一桁を記録することも少なくない地上波ドラマで異例の快挙を成し遂げたとのことだ。彼のその年の演技大賞も肯ける。

昔読んだ本では「韓ドラの大きな特徴の一つに『必ず恋愛要素が入っている』が上げられる」とあった。確かにそうでどんな題材のドラマでも男女のすれ違い、好いた惚れたのシーンがあった。視聴者のメインが女性ゆえにイケメン男性が恋愛にからむケースがほとんどだった。しかしこの「ストーブリーグ」には恋愛要素が全くといっていいほどない。主人公はまあイケメンだけどアラフォーでチーム立て直しに一生懸命で恋愛なんかしている暇も無いしその隙もなかった。でもそんなことしなくても面白いドラマは作れるんだ。

あと、女性主人公のパク・ウンビン。チームが大好きな熱いスタッフを演じている。初めて見たと思ったが、実は彼女が子役時代のドラマを私は何度も見ていた。一番好きなドラマと言っていい「復活」(2005:KBS)で女性主人公の中学生時代を演じていたのだ。あれから15年ほど経ち、最近は時代劇「恋慕」(2021:KBS)でも主役を務めるなど立派に成長している。
敏腕マネージャーのナムグン・ミンが赴任早々にぶち上げたのがチームの4番で唯一の韓国代表選手をトレードに出すという発案だった。あんぐりする周囲スタッフと怒る4番打者。なぜなのか、いったいどうなるのか、第1話から興味津々となる。ちなみに脚本家は日本のあるチーム事情も参考したと証言している。ドラマ中、古巣に戻るエースは日本のK投手がモデルだと明かしている。そんなところも興味深い。現在配信はUーNEXTとAmazon Prime(こっちは有料)など、TV放送は年末年始にBS日テレで終了していた。DVDレンタルは3月からだそうだ。韓ドラに興味ある人、すべてにお勧めの良質ドラマだ。

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