2021年12月25日土曜日

「サポート詐欺」に騙されるな

土曜日勤務はちょっと久しぶりでしかも午後は夕方まで日直だった。外来はそんなに忙しくなくちょっとした余裕もあった。

だがしかしー、私はとんでもない事態に巻き込まれてしまう。この日記を読んでいる人にも注意喚起しておきたいことなのでその顛末(てんまつ)を書いておこう。

これまで私はMacのWindowsを動かすソフト「Parallels Desktop 」内でネット麻雀「天鳳」の対戦ソフトを利用してきた。ところがこの1ヶ月ほど操作のちょっとした不具合がありそれを治したくていろいろと改善策を試してきた。ソフトの再起動や再ダウンロードはもちろんParallels Desktop 最新版をダウンロードしたり、Macも最新OSであるMontereyにバージョンアップもした。しかし治らない。そこで解決策を求め、あちこちのサイトにアクセスしていたのが良くなかった。

診療の合間にノートパソコンの画面(Parallels Desktop でWindowsを開いていた)にあちこち警告の表示が頻発するようになったのだ。そして「ウイルスに感染している」「Windowsサポートに連絡する」と書かれ050で始まる電話番号があちこちに貼られていた。↓の画像拡大すれば言っている意味がわかるだろう。
で、結論から言うと、ここに電話をすると大変なことになる。マイクロソフトからという画面もまあ掛けても良いかという気に私はなった(これも向こうの手なんである)。日本語をしゃべる男性外国人(言葉の調子からすると東南アジア系か)が出てきて「ウイルスに感染している。それを治すのに料金がかかる」という内容の話をしたので最初は「それなら断ります」と私は言ったのだ。「それは大変なことになりますよ」と言われても怪しいと思ったので「それで困ってもいいです」ときっぱり電話を切ったのだ。今思えば大正解だった。それで普通に仕事を続けていたが数回スマホに電話が掛かってきた。一度電話すると当然私の電話番号は相手に知れる。

ちょっと患者さんが途切れ、うるさいからとその電話に出てしまった。今度はさっきの男性とは別のちょっと分かりやすい日本語の担当者だった。私のパソコンがウイルスに侵されていると言うのだ。確かに警告画面がうるさく、嫌だなと思っていた私は今度は話を聞くことにした。さっきの担当は正直に料金がかかると言っていたが「無料ですから」と今度は言う。いかんねえ、無料ならと話を聞いてしまったんだから。

で、ウイルス退治するために相手の指示通りに数字やキー操作をし遠隔操作を受け入れてしまったのだ。すると「ほら、こんなにウイルスに感染していましたよ」と画面上に出てくるではないか。他にも「ネットワークでキュウリティがこわれています」「ウイルスファイル1786が見つかりました」など。実はそれも手だったのだが、ここでハタと「対局ソフトの不具合はウイルスだったか!」と合点がいってしまったのが迂闊だった。「今からウイルスを削除し警告を削除しサービスを更新します」と来た。ほうほう、これで改善するのかと思わされたのだ。

しかし全部改善してくれるわけではない。73%まで完了し、あとは料金を払ってからだって。それが結構高い。2万5千円から3年保証が3万5千円、10年だと6万5千円だってさ。
最初は無料とか言っていたくせにと思いつつもその時は感染していると思っていたからねー。2万5千円か3万5千円くらいならと答えると、「カードでも出来ますがこの状態でのカード利用は少しアブナイのでコンビニでの現金支払いがいいです」と来た。「20分待つから」とかいろいろ言うけど「今、仕事中だし、それに帰宅して夕方以降しかコンビニに行くことも出来ない」と返事すると「いつ頃出来ますか、自宅の近くにコンビニありますか」など言われ、結局19時以降にまたこちらに電話してからの支払い約束になった。そしてパソコンの画面は青色の警告画面でロックされてしまったのである。「下手に触るとパソコンが壊れてしまう可能性がある」と言われてね。実際、キーボード操作やパッドを触っても全く動かなくなったのである。
今日の午後はパソコン使えないかーと思いつつ、医局で休んでいたところ、サブアラドDrからたまたま電話があった。そこで午前のこの話をすると「怪しいなその話はー」と言われ、いったんは「まあ、ホントっぽい内容だった」と答えたものの、スマホでこういうケースについて書かれたものがあるのでは、と調べてみる気になった。すると、どうもこのウイルスの話は怪しいという気がしてきた。そして思い切ってノートパソコンを再起動させたのだ。パソコンは壊れることもなく普通にMacは操作できた。しかしParallels Desktop を使ってWindowsを開こうととするとさっきの青警告画面が出てきてブロックされてしまうのだ。やっぱり。

Macでネット使って調べると間違いなくこれはネット詐欺であると確信出来た。「不具合をサポートしますよ」と騙す手口から「サポート詐欺」と呼ばれ、警察関係サイトや良心的なサイトが警告と対策を載せていた。チキチョー!騙されていたか。遠隔操作を許したのがいけなかった。しかし最初から怪しいと思いいったんは断ったのに迂闊だったなー。ともかくも19時ごろにかかってくる電話には絶対出ないと決めた。実際にスマホにかかってきたのは20時50分ごろで非通知設定で4回かかってきた。22時ごろにもメッセージに非通知設定や通知不可能で7回も入っていた。その間はネット接続も切っていたしこちら側に何の問題もなかった。

ただWindowsの警告画面の消し方が分からずそれは↓のサイトでどうにか解決できた。https://web-security-info.com/607/#i-4
実際はウイルスにも感染していなかったし(今時そんなに感染するものではないらしい)、麻雀ソフトの不具合はそのままだだった・・。つまり何も変わったことは起きていなかったのだ。

いやはや、すんでのところで被害には遭わなかったけれど、年配の人やどこかでも信じてしまうところがあれば騙されてしまうと大いに自戒した次第だ。

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