1年半ぶりくらいだろうか、あのオマルさんが昨日入院した。いや、そんなに体調が悪いわけではない。どちらかといえばしょっちゅう面倒を看ている家族のための入院、いわゆるレスパイト入院である。で、オマルさんといえば囲碁だ。今日も病室で一人磁石碁盤を前に棋譜並べや囲碁新聞を見たりしていた。午前の外来が終わり、昼食を済ませて私は病室に入り一局お願いした。私が3子ハンディをもらう3子局だ。
どうもオマルさん、実践対局はそんなにしていないとのことで少々気弱な発言をしていたが、いざ対局が始まるとフガフガ言いながらも打ち筋は昔のままって感じだった。星の定石を2ヶ所打ち終えたあとに、右下隅で白のオマルさんが無理な打ち込みをしてきた。ここはとがめねばならない。するとなんと上手のオマルさんが見落としで白4目と打ち込んだ石を全部私が取ることが出来た。かなりのもうけである。その後も私の石を攻めてくるが微妙なところでミスが出てまた私が有利になった。最後は下辺で黒石と白石との攻め合いになったがここも私の一手勝ちでこれで勝負は決した。最後は打った石を崩しオマルさんの投了。「うーん、強くなった。今度3子で負けたらその次は2子だ」と言って、パチパチと拍手をし始めた。誉められたのだ。
いやいや、結構ミスに救われた気がしてオマルさんまだ本調子ではないはず。もっとも私もこの1年半、対局こそほとんどしていないが、囲碁AIのMasterがプロ相手に60連勝した棋譜を何度も何度もパソコンで並べていたのでもしかすると少しは強くなっているかもしれない。仕事の合間の数分とか、ちょうどいい時間つぶしになっていて1年で60局を10往復くらいしたかも。囲碁AIの打ち筋は斬新でかつためになるものが多く今や囲碁のプロすら参考にしているほどだ。新聞や本で棋譜並べをするよりパソコンはスムーズでやり直し、繰り返しがずっと容易だ。同じ勉強でも御老人のような旧式の方法よりは効率がいいと思う。その差が出たかな。よし、次も勝ってハンディ減らし2子局で勝負だっ。
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