来ない理由で多いのが「痔じゃないかと思っていた」が一番多く、次が「行くのが面倒」だった。しかし実は痔出血では意外に便潜血陽性反応は出ないということが文献や調査で分かっている。引っかかったらまずは受診して大腸内視鏡検査を受けるべき、これが基本である。一度でも大腸内視鏡を受けたらその後大腸癌で死ぬ確率がぐっと減る。命に関わる大腸癌に罹る人は大腸内視鏡を受けたことがない人であると言っても過言ではない。
そこで番組では大腸内視鏡とはどんなものかと紹介するコーナーがあった。そんなにきついものではないし、小さなポリープだとほらこんなに簡単に痛くもなく切除できるって・・。大御所の工藤進英先生の動画もあった。なかなか啓蒙する番組としては良かったのだが、一つだけ、思わず「それは間違っているやろ!」と叫んだ場面があった。それは大腸内視鏡をしている場面のイラストが出てきた時だ。まずは↓を見て欲しい。
何もおかしいところがないじゃない、と思ったらそれは一般ピープルかNHKのスタッフたちだ。だが実際にこの位置と患者の体位では大腸検査は不可能である。患者は右側臥位になっているがほとんどは左側臥位にしてから検査は行われる。とにかく患者の頭と足の位置が逆なのでまずそこを訂正してみる。↓。
うん、これなら患者と医師の位置関係は正常だ。が、しかしー。こうなるとスコープを右手で持っているのがおかしくなる。大腸内視鏡や胃カメラは左手で前後左右、吸引送気のボタンを操作し、右手でスコープを送ったり引いたりするのだ。上図の医師の持ち手は正常だが、反転図のように右手では絶対に操作ボタンは扱えないのだ。従ってどう解釈してもNHKのイラストは間違っていると言わざるを得ない。↓が正しい大腸内視鏡の姿勢。イラストレーターは実際の写真を見ては描いていないのだろう。しかし専門家がみれば違和感が相当あり、私はNHKに抗議の電話(?)をしようかと思ったくらいだ。だが電話では非常にめんどくさい説明になるのでこうしてブログでアピールしようと思ったわけ、以上。
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