外来で西友Nsと服裂き魔Nsの二人が子どもの頃一番怖かった思い出を語り合っていた。
服裂き魔Nsは小学生の頃、姉と道を歩いていたら中年のおっさんが大声で犬の首根っこをつかみ橋の上から川に投げ捨てた(!)シーンがとても怖かったという。それって動物虐待でしょ。でも、確かに怖かったかも。
西友Nsはというと、やはり小学生時の下校時にこれもおっさんで何と斧を研いで「たたっきるぞー」と叫んでいる人がいて、怖くて怖くて近くの美容室に逃げ込んんだという。そ、それは怖い。怖すぎる。「私、美容室の名前も覚えている。『クミ美容室』って名前だった」だそうで。
いずれも共通するのは中高年のおっさんは怒りを抑えられなくなると世間の人がどう見ようが気にならず怒り爆発するってこと。私も気をつけなくちゃ。
30才前後の男性で「発熱、発疹」の人が診察希望と電話連絡があった。どうも最近話題の風疹の可能性があるとのこと。他者への感染を考慮し院外の車中で私が診察をした。発疹は顔面から上半身下半身にまで拡がり、はっきりしたリンパ節腫大がないがワクチン接種歴もないし2週間ほど前名古屋出張もしていて風疹の可能性はあると判断した。それで採血や咽頭拭い液など採取し保健所に迅速な検査を依頼した。もしこの人が風疹ならきっと県内今年2例目としてニュースになるだろう。
風疹は症状自体はそんなに長引くこともないが妊娠可能な女性が初感染しもし妊娠していると生まれてくる赤ちゃんに難聴、先天性心疾患、白内障など多くの障害が起きる。だから若い女性は自分に風疹の抗体があるかどうかを知っておくべきだが、院内の対象女性職員おもに看護師さんの入職時の風疹抗体を調べて少し驚いた。明らかに陰性の人が7、8人、やや低くてワクチン打った方がいい人まで入れると10人以上いる。これはいかんね。そうとは知らずに患者さんからうつされるかもしれない。できちゃった結婚なんて今じゃ当たり前だから油断ならない。ということで感染症委員会から来週の所属長会議で注意喚起することにした。ちなみに先の患者は夕方に結果が判明し風疹、麻疹は陰性とのことでとりあえずはホッとした。
映画やドラマにもなったあるミステリー(敢えて作品名は言わず)の犯人の動機が「生まれた子どもに障害があり死んでしまったのは風疹をうつされたから」というのがあり、若い女性にとって風疹は中年のおっさんより怖いってことを分かってもらわねばー。
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