「埼玉県和光市のマンションで80代夫婦が刃物で殺傷された事件で、祖母に対する殺人未遂容疑で逮捕された孫で中学3年の男子生徒(15)が身柄を確保された際に所持していた凶器とみられる刃物は、包丁や小型ナイフ、カッターナイフのようなものなど4本だった。捜査関係者が明らかにした。また、県警の調べに「学校に許せない生徒がいて殺すつもりだったが、殺人犯の家族にして迷惑をかけたくないので、まず家族全員を殺してから実行するつもりだった」との趣旨の供述をしているという」
この殺したいヤツは外部の人間(または人間たち)だがその前に身内を殺すパターン、理解出来ないという人も多かろうが、実は過去の有名事件ではよくある。特に「大量殺人」を決意し自分はもうどうなってもいいと覚悟を決めている犯人はまず身内を殺して(身辺整理の気持ちか)から本来の目的の殺人に向かう。1990年代にタイムライフ社が出した一連の犯罪本の1冊「大量殺人者」に出てくる犯人の中にも数名いたと記憶している。横溝正史「八つ墓村」のモデルになった有名な「津山30人殺し(昭和13年)」では真っ先に斧で祖母を叩き殺してから村人皆殺しに出かけるのだ。祖母が憎かったのかというとその逆である。犯人の都井睦雄は遺書にこう書いている。「・・時のはずみで、ああ祖母にはすみませぬ、まことにすまぬ、二歳のときからの育ての祖母、祖母は殺してはいけないのだけれど、後に残る不びんを考えてついああした事をおこなった、楽に死ねる様と思ったらあまりみじめなことをした、まことにすみません、涙、涙、ただすまぬ涙がでるばかり・・」
どうしたらこうした犯罪が防げるかはまだ分かっていない。今回の事件のみで検証するのではなく似たような事件から浮かび上がる共通性をもとに今後に活かしていければと思う。ただ「石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」と歌われたようにその根絶はまず無理だろうが・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿