2015年10月2日金曜日

尻が軽い

また内視鏡室ネタ。今日も胃カメラが多い。さっさと済ませたくて看護師の「先生、次お願いします」にはすぐに席を立ち胃カメラを握っていた。するとシホねえNsが感心したように「センセ、今日は呼ばれたらすぐで『尻が軽い』ですね」と言うではないか。「おい!尻が軽いとは何だ。それを言うなら『腰が軽い』だろっ」で、尻が軽いはお前のことだろと思わず口に出しそうになったが、そこは口をつぐんだ。

日本語の慣用句はよく使われる割には語源や意味合いをよく知らずにただ雰囲気だけで理解して誤用するケースが多い。よくあるのが「押しも押されぬ」という誤用。これは正しくが「押しも押されもせぬ」が正しい。ただ似たような意味の「押すに押されぬ」は間違いではない。これと似たような間違いが「汚名挽回」で「名誉挽回」と「汚名返上」をごっちゃにしている。

病院仕事でよく間違うのが「喘鳴」を「ぜいめい」と発音することだ。正しくは「ぜんめい」で、私は「ほら、喘息を『ぜいそく』と言うかい?」と尋ねるとみんな「あーそうですね」と納得してくれる。あと、「熱発」も正しくは「発熱」である。意味もいっしょで会話で使う分には何の問題もない。しかし熱発は元々は俗語でハワイを業界用語でワイハーと言うようなもの。通用するからといって正式な文書に書くのはややはばかれるので私は書かないようにしている。

ああ、でも尻軽と言われた私。そもそも尻軽は男にはまず使わない。尻軽女というように女性限定用語だ。でも、腰軽男って言わないよな。そうだ、軽いという言葉は一般にいい意味で使われないからか。言葉使いはなかなかに難しい。

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