昨日の8・6水害特集の最後、翌8月7日の市街地の映像が流れている際にセミの鳴き声が鳴り響いていた。今、私の家や団地周辺は早朝からセミの鳴き声が喧(かまびす)しい。庭の枇杷の木に止まってはシャンシャン、シャンシャンよく鳴いている。7月下旬頃からよく鳴き始め今が盛りというところ。セミの声は30年経ってもおんなじだ。
そしてロッジの柱や葉っぱには空蝉(うつせみ)がたくさんくっついている。古来、古典文学ではこの空蝉を題材にいくつもの作品が作られてきた。空蝉の 身をかへてける 木のもとに なほ人がらの なつかしきかな(源氏物語)
(空蝉と身を変えて去っていってしまった木のもとに立ち、なお、その人がしみじみと懐かしく恋しく思われる)
空蝉の 羽に置く露の 木がくれて しのびしのびに ぬるる袖かな
(空蝉の羽に置く涙が木に隠れて人目にはつきませんが、忍びに忍んだ涙に濡れる私の衣の袖でございます)
と返すのである。落ちぶれた上流貴族出身も今は中流貴族の後妻で身分の違いをわきまえていた女性は光源氏に惹かれながらもその後も頑なに求愛を拒否する。紫式部はそんな境遇を空蝉に例えており、境遇が似ていた紫式部自身がモデルではないかとも言われている。いいねえ。
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