2022年6月9日木曜日

切れ痔かな

非常勤外科Drから依頼の20代女性患者に大腸内視鏡を行った。↓以下参照。
肛門鏡まで行われていて、それは特に問題ないけれど、大腸の奥の方に所見がないとも限らず、本人も検査を希望とあれば内視鏡検査をするしかない。こういう若い患者さんの場合、懸念されるのが潰瘍性大腸炎だ。この病気は直腸から病変が始まるので内視鏡挿入直後におおよそ異常有りか無しかが分かる。見れば全く正常の粘膜でホッとした。
その後、盲腸まで観察し、スコープを抜きつつ観察するけれど、どこにも所見はなく正常だ。そのことを患者さんにも話しながら検査を続けた。下部大腸に来たころに「となれば、その出血は何が原因だったのか・・」直腸、肛門まで観察し「内視鏡所見では全くの正常です。ということは肛門粘膜がたまたま切れて出血した・・つまりは切れ痔かな」と語った。
その患者さんも安心して検査室を出た後だ。私は検査に付いていた秋の萩君、茶の里Ns、ハイダアイNsに向かって「みんなー分かってくれないのかナァー」と残念がった。何か、私の口調からして冗談めいたことを言ったようだとはみんなは気づいてくれたのだが、「患者さんの名前はユウキさんでしたからカナさんじゃないし・・」との返事だ。

「切れ痔(裂肛)」だったので「切れ痔かな」と言ったのよ。「いやー難しいです。全然気づきませんでしたぁ」と看護師ら。いちいち解説するのもヤボなんだがねぇ。

(注釈;切れ字とは句中または句末に用いて、句に曲折をもたせたり、特別に言い切る働きをしたりする語で「や」「かな」「けり」などの語がある)

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