肌が黄色くなっているとのことで施設入所の高齢女性が外来に来ているという。採血を先に指示した後、診察すると、なんと御年100歳。さすがに車椅子での来院だが、意外に元気そうで少し驚いた。でも採血データは良くないな。CTを撮ると総胆管がえらく拡張していた。胆管結石はなく腫瘍系の閉塞性黄疸だろう。すぐに入院手続きをして「明日ERCPをする」と家族に説明をした。
こんなケースが去年もあった。その人は99歳女性でやはり黄疸があり、ERCPをすると、十二指腸乳頭部の癌だった。根治は望めないので減黄のための金属ステントを入れて経過観察とした。そのおばあちゃん、まだ歩けるそうで、この前はマダニを付けたまま入院してきていた。それも2匹。家の中にじっとしているだけならマダニにも噛まれないだろうにねえ。家は木津志という姶良でも山の中の地域で、周辺にはサルやタヌキがよく出没しているという。長女が隣家にいるとはいえ独居とは・・まるで日本昔話の世界だ。
私の担当ではもう一人100歳の入院患者がいる。さすがにこの人は施設入所だ。体調はもどっていて、来週早々には退院の予定である。90歳以上の入院が多いと驚いていたのはちょっと以前の話、100歳前後も結構いらっしゃるのだ。
100歳まではいかないが、隣の老健のオマルさん90歳とは週に2、3回は囲碁の対戦を続けている。驚くことに少し前に失敗した隅での折衝(定石)を修正してきて私はそれにまんまとやられてしまった。オマルさんは老健で磁石碁盤を前に私との対戦を振り返ったり囲碁新聞を読んだりして毎日勉強をしている。これじゃボケるヒマはないわ。これで私の22勝19敗。石と石のぶつかり合いではやはりオマルさんに分がある。今夜はその対戦をパソコンの囲碁AIにかけてどの手が悪かったのかチェックしたりした。AIはいいわ。どの手が敗着だったのかはっきり教えてくれる(悪い手を打つと勝率がぐっと下がるんだ)。パソコンやネットを味方に付け、その点は還暦とはいえ若さがもの言うな。
え、さっき連絡があった救急車でまた来るのが100歳の女性だって?いったい100歳以上が何人いるんだ。ともかくも日本の超高齢者社会はすごいって話だよ。
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