明け方の患者はどうも胆石発作かと思われた。痛みがあったにも関わらず救急車では来ず外来でうんうん唸っていた。まずは鎮痛せねば。そこで私は最近の鎮痛薬のトレンドであるアセトアミノフェン注射製剤を使ってみようと思った。もともと内服では子どもから大人まで安全で効果のある解熱鎮痛剤だが数年前に注射剤も出て最近青雲会病院にも入ったと聞いていた。何て製品名だったかな?当直看護師の井雄君に尋ねるが彼も知らないという。ネットで確認すると「アセリオ注射液」という製品名で薬局に入り井雄君と探すも見つからない。一応劇薬なのでそこの棚も探したが見当たらない。ひょっとしたらまだ購入前だったのか。薬剤師に電話確認するほど時刻でもないし患者を待たせているしで結局あきらめ座薬を使った。
明けてしばらくこの件は忘れていたが、昼過ぎにふと思い出し薬局に電話してみた。ショーヘイ薬剤師が出た。
「あのさー、新しい解熱鎮痛剤のアセリオって在庫あった?」「ええ、ありますよ」「えっ本当?」「棚の上にあります」
ううむ、なれば実際に確かめたくなる。行って確かめると棚の端に数個それはあった。
「あー、引き出しばっかし何回も調べてそこはざっとしか見なかったよ。明け方はこれがなくてとってもアセリオっ!」
これにショーヘイ君は口元をわずかにゆがめただけで冷ややかな笑い。しかし遠くの椅子に座っていたハラユウさんはプッ!と吹き出した。「あ、聞いてたナ。あまりのツボに来るギャグに参った?」と聞くと「いいえ、何でもないです」だって。いいや、確かに笑ったはずだぞっー!
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