今日の土曜外来はまあまあヒマだった。たまにはそういうこともあるさー。
で、今日一番外来のスタッフ間で盛り上がったのが、謎の書き記しだった。その人は50歳代の男性で確か内視鏡検査の予約に来たはずだったが、鼻水があり、この御時世で事前にコロナの検査がいるかいないの事前打診が私にあり、私は「不要」と伝えていた。その一件が外来カルテ連絡表にメモ書きされていた。それが「R(+)」とあったのだ。
「何?R+って」「知らない」「これは鼻水があるという意味なんだろうな「でしょうね。でも鼻水ってRって略すんですか?」「いいや、知らない」「鼻水は英語で何って言うんだっけ」調べたら「nasal drip」とか「nasal mucus」とか「snot」とか出てきた。しかし私を含め、ほぼ全員のスタッフがこれを知らないのでは問題だ。ついこの前の病院評価機構のサーベイヤーも「略語はできるだけ使わず、英語も可能な限り日本語でカルテには書いてそれを見た人がちゃんと理解出来るように記載して下さい」って言っていたぞ。そして略語を使うなら略語集をきちんと作っておく必要があるとも指摘していた。ともかくもR+が鼻水症状の略語なのはほぼ明白で、では一対誰が書いたのかを確認する必要があった。また書かれたら今回同様に戸惑う職員が必ず出る。外来業務が終わって医局に戻る次いでにそれ書いたというマコタカ君に尋ねてみた。
今回日記に書くに当たり、ChatGPTに尋ねてみた。すると「「鼻水」を英語で表現すると、「runny nose」や「nasal drip」などが使われます。例えば、「I have a runny nose」や「I'm experiencing nasal drip」などが一般的な表現です。」と出てきた。なるほど、「runny nose」だと頭文字がRになる。そうかもしれない。(追記;スチョルDrからメールあり、Rhinorrhea(鼻漏)のことではないか。私も使うとのこと。なるほど、その方がすっきりする。Rhinorrheaで決まりだっ!)
ずっと以前、紙カルテ時代に「先生、これは何の意味でしょう」と尋ねられたのが某Drが書いた「HK」という略語だった。私も初めて見たが、そこは文脈を読み解きハッとひらめいたのが「きっと『主訴』のことだろう。ドイツ語でHauptklage(ハウプトクラーゲ)って言うから」と読み解き、周囲に感心されたことがある。英語ならChief complaintといい「C.C」と略す先生もよくいた。しかし20数年以上前にはドイツ語をカルテに書くこともほとんどなくなっていて謎の略語になっていたのだった。
ドイツ語で言えば、この前、タクミDrが「患者さんはこてる先生のMTを受けて・・」とカルテに書いてあった。これは私にはピンと来たが、一般の職員にはやや分かりづらいかも。これはドイツ語をもとにした医療隠語でムンテラのことだ。ムンテラとはMundTherapieから派生した略語で、医師から患者さんもしくは家族に、現在の病状や今後の治療方針などを説明することで日本の医療界ではよく使われる。隠語をさらに略語にして記載しており、ちょっとこれは問題だ。私は以前から「説明」と書くようにしている。あとでタクミDrに注意しておこう。
略語は簡単に書けて知っている者同士ならすぐに意味が通じ、逆に相手に知られたくない場合には都合もいい。しかし、誰もが理解出来、間違って伝達されないようにすることは医療事故予防のためにも必要で、日本語でできるだけ書くようにすべきだろう。R+、HK、MK・・しばらく経てばやっぱり何のことか分からなくなりそう。略語でカルテに書くのは止めましょう・・ネ!
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