2021年8月10日火曜日

内視鏡検査、あきらめたら・・

オリンピックが終わって次は夏の甲子園。雨で1日遅れで始まった。関係者以外無観客とはいえ去年は中止だったから開催されるだけでうれしい。

後でビデオで見たが、大会歌は去年の朝ドラと同じくミュージカル俳優の山崎育三郎がアカペラで伸びやかに歌っていた。ドラマですら結構感動したのにリアルではなおさらだった。

始球式は去年中止の憂き目に遭った現大学1年生2人が投手と捕手で役目を務めた。カールが「今は2人とも医学部生だって。すごいね」と言うから、野球部をやめてすぐに医学部に入れるなんてそうそうあるかな、と思ってビデオを見たら、ユニフォームの胸に「KOYO」の文字でハタと思い至った。現在は甲陽学院で兵庫では灘高校に次ぐ超進学校、戦前は甲陽中で甲子園常連の夏の優勝もある(第9回)学校じゃないか。それならさもありなん。2人は関西医科大と大阪大学医学部の医学生で歴史とコロナ禍の2つの意味を背負って始球式を全う・・した。いや、投球はなんとバッターの背後に逸れちょっぴり頭かきかきではあった。でも昔からの甲子園ファンにとっては甲陽の名が知れただけでもうれしかったわ。

午後は外科から頼まれたERCP+ERBD処置でこれにけっこう時間がかかった。十二指腸に大きな憩室があり乳頭がそこにかかっていた。そうなるとカニューレの挿入角度が取れずうまく行かないことが多いのだ。以前クニンダDrがこの患者さんにERCPしようとして同様に難しかったと記録にあった。がんばればどうにかカニュレーション出来る・・と思っていろいろ試すが時間ばかりが過ぎた。カニューレを代えたりスコープを代えたり体位を変えたり1時間以上過ぎてもうまくいかない。そのうち外科の信号Drも来て「無理なら別法でどうにかします」とねぎらいの言葉をかけてくれ「仕方ない、止めようか」と易きに付こうかという気持ちになりかけた。すでに1時間半経っている。

でもあと1回だけチャレンジしよう、とスコープの挿入からやり直した。すると少しだけ角度が付きどうにかカニュレーションできそうな感じが・・。「はい、ガイドワイヤー入れてみて」と茶の里Nsに指示すると、ワイヤーがするすると総胆管を上っていくじゃない。やったー。すぐにカニューレを入れどうにかERCPそして減黄チューブ留置のERBDが出来た。もう汗びっしょりだった。ERCPには私以外にスタッフが5人以上は付く。みんなも頑張ってくれたねー。

で、そのスタッフが口々に「今日は途中で止めるとばかり思っていました」と。大腸内視鏡でもそうだがなかなかあきらめないのが私の信条だ。いわゆる粘り倒し。「はは、あきらめたらそこでゲームセットよ」と言うとみんなに少し受けていた。で「どこかで聴いたような・・」と言われた。私は読んだことはないがバスケ漫画「スラムダンク」の有名なセリフらしい。

ほう、単に「あきらめるなー」「ガンバレー」よりはぐっと心に響く名言ですな、確かに。内視鏡検査もあきらめたらそこで終わり。今日はあきらめないでほんと良かったゼ。

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