2021年8月27日金曜日

川の秋さんはなぜ私に感謝したのか

外来も終わろうとするころ、管理栄養士の川の秋さんが来た。診察かと思いきや「先生にありがとうと言わないといけないと思って」と言う。どういうこと?

「姪が高校1年生なんですけど子宮頸がんワクチンの1回目を無事打ちまして」とのことだった。ああ、冬の川さん(川の秋さんの妹)の娘さんは高1だったのか。「そうなんです。8月が定期接種で無料で打てるぎりぎりのタイミングだったんです」って、私はそれを言いたくてこの前朝礼でスピーチしたんだ。そうかそうか。そういえば冬の川さんとは1ヶ月くらい前だったかな、コスモスでばったり会っていたんだ(ごくたまにかち合う)。ただ、こてる日記の読者で川の秋さんの妹ということは知っているが、向こうから声を掛けられないと私からは彼女だと認識できる自信はない。

川の秋さんによると、頸がんワクチンにはやはり負のイメージがあり不安があったそうだが、それを払拭させるのにこてる日記は役に立ったらしい。あ、同じことをこの前も別の職員から聞いた。うんうん、そういうことで少しでも役にたってくれれば本望だ。

そうそう、朝は半年ぶりに丸見えさんが来て、コロナワクチン接種の話題になった。彼女は現在50代半ば、10年以上前から潰瘍性大腸炎の治療で私の外来に通っている。彼女が言うには「やっとコロナワクチンの接種券が届いて私も打てると思っていたんですけど・・」とその続きで「知り合いに『ワクチンを打ったら絶対にダメだ』という人がいてとってもやりにくい」と。私が批判し続けている「反ワクチン活動派」の連中だな。いや、その活動派に洗脳された哀れな人たちか。「その人たちの話を聞いてはいけない。何言ってもムダだから無視しなさい」「ですよねえ。まるで宗教のような感じなんです」と丸見えさん。ふむ、確かにそれに近い。一見科学的な装いでワクチン反対を唱えているが「ワクチンは悪い」という強い思いに支配されている。

頸がんワクチン(HPVワクチン)もコロナワクチンも迷うことはほとんど何もない。「打つべし!」だ。日本、あるいは日本人はワクチンに対し不安を持ちすぎる。私も最近日記での話題はワクチンがらみが一番多いが、書かざるをえないのは周囲に前述のような人たちがいっぱいいるからだ。頸がんワクチンについては接種1%未満が未だ続いている。だから今後も折に触れてまた話題にすることだろう。

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