内視鏡室で胃カメラ検査が終わり、「京美」と言う名前の患者さんに結果説明をする直前、秋の萩君に私はこう言った。
「今から説明する中に『ダジャレ』を混ぜるからよーく聞いときな」
はあ?という表情の秋の萩君。それでもどんなダジャレを言うのだろうと耳をすませていたはずだ。
「さあどうぞ」と胃カメラ画面を指さして私は言った。「これが今日見た胃カメラの画像です。特に心配するような所見はないです。大丈夫ですよ」
あっさり終わって患者さんが出た後、秋の萩君に尋ねた。「(ダジャレ)分かった?」
「いいえ、全然分かりませんでした」
「うーん、ちゃんと予告しておいたのに分からないとは・・」
「京美さんに今日見たって言ったでしょ」
「あーーあ、いや全然気づきませんでした」
ふふふ。私は外来でもこんなダジャレを言って受けを狙うことがあるのだが、患者さんはまず気づかない。医者が診察中にそんな冗談を言うなんて思ってもみないこともあるが、それ以前に余裕がないのだ。病院の診察室や検査室では当たり前であるがたいていの患者さんに余裕がない。お笑いって漫才や落語にしても受ける側に余裕と笑ってみようという姿勢がないと笑えないものだよね。ふふ。
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