今日は当直で、夜当直は1ヶ月以上ぶりだった。救急車が優先的に当院に運ばれる二次当直日ではなかったのでそれほどでもないかなと思いきや・・
「胸痛の患者が来ています」とチュンジョー看護師から連絡あり、下に降りる前に「先に心電図採っておいてー」と頼んでおいた。で、着くと「心筋梗塞みたいですよ」とチュンジョー君。みればⅢ、aVFのST上昇がある。この心電図で60代男性で急な胸痛が起きたとなれば確かに心筋梗塞がかなり疑わしい。ならばすぐに精査治療が出来る病院に転送だ。
姶良から鹿児島まで一番近くですぐにでも診てもらえる病院と言えば点妖怪病院だ。で、電話すると「すみません、今から(心の血管)造影(検査の患者がいる)なんですよー」と断られてしまった。ただいかにも残念そうで、次機会あれば絶対に診ますからーという口調だった。「ええ、いつもまずはそちらに頼んでますからいいですよ」と電話を切った。
ならば次はカイリョー病院だ。「急性心筋梗塞」というと今度は即OKだった。ただ「新型コロナ検査をやっておいてほしい」という。青雲会病院ではPCR(当院ではLAMP法)と抗原検査があるがこの場合抗原検査をしてくれということだ。しかし結果を待っていたら30分以上かかってしまう。そこを指摘すると「ああ、(検査してくれれば)救急車で出発してもいいんです。結果を電話で教えてくれれば」ということだ。なるほど、コロナ陰性と判明していればすぐに血管造影検査に移れるということか。移動に30分は最低かかるので時間を無駄にしない工夫だね。
救急車搬送にはチュンジョー君が付き添った。そろそろカイリョー病院に着く頃、結果陰性だと電話連絡した。すると、出た循環器内科Drが先とは別人で「こんばんはロングハッピイ剣豪です」と言う。あ、親戚にあたる剣豪Drか。あとでチュンジョー君に聞くと「めちゃくちゃ腰の低い先生でした」と。ふふ、有り難いねえ。
日付も変わり床について1時間以上経ったころか、またチュンジョー君からピッチに連絡があった。「先生、老人施設から心肺停止の患者だそうです」うへ、そりゃ蘇生をしなくちゃな。今は救急隊から要請あれば気管挿管OK指示も出すことが出来る。それは当然許可した。運ばれて来た高齢男性は心肺停止状態で救急隊員が心臓マッサージ(胸骨圧迫)を続けていた。点滴ラインをつなぎ強心剤を注射する。すぐには心拍はもどらない。しかし施設職員から救急隊員までマッサージを早めにし気管挿管までしておいたからか心拍が戻って来た。家族も集まってきて心配そうにしている。1時間ほど救急外来で様子をみて、心拍は戻ったとはいえ相当に危ない状況であることを家族に伝えた上で病棟に上げ治療継続を指示した。
なにかかにやで2時間ほど時間がかかりすでに外は明るくなりつつあった。もう、当直室のベッドで寝る気は起きないな。医局のソファで休もうとしたのだが、4階病棟から連絡があった。「先生、外科の患者さんですが心臓止まっています」あ、そう、すぐ行くわ。久々の当直はなかなか許してくれないのだった。
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