腰痛で入院しているギボヒサコのことで、朝、病棟看護師から「入院してから毎晩睡眠薬を希望しているんです。いっそ定期薬化できませんか」と言われた。あれ、ギボヒサコって睡眠薬は普段全く使用しないキャラなんだが・・。先週入院して4人部屋だから眠れないのかな。まずは本人に確かめようと病室に行ってみた。
「ギボヒサコさん、睡眠薬を頼んだそうですね」そう尋ね、本当に眠れないのかを確かめただけだった。しかしギボヒサコはどうも眠剤服用を咎められていると思ったようだ。
「あ、眠り薬を飲むと癖になるのよね」「薬は看護師さんが飲んでみたらと言うからー」「先生の処方がそうなっていると聞いたからー」
これに少しカチンときた。まるで自分から眠剤を希望したのではないと責任逃れを言っているみたい。カルテにははっきり「ギボヒサコが眠剤を希望」と書かれてあった。私が聞きたいのは本当に眠剤なしでは眠れないのかどうかだけだったのに。そこをもう一回尋ねるが、「もう飲まないから」と先走ってしまう。「いや、本当に眠れないのなら眠剤は飲んでいいんですよ」「いや飲まなくても大丈夫と思う」と論点がかみ合わない。
これはカールとギボヒサコの日常だと思った。夕方になって自室から居間に来てウロウロするヒサコに「お腹空いているの?」とカールが聞いても彼女は「ううん」と十中八九答える。そうかまだじっくり夕飯作る時間があるなと思っていると、いつの間にか菓子パンなど頬張っている。妹のヨーコバーバもヒサコから電話で相談事を受けてアドバイスすると後から「ヨーコがそう言ったから」と責任を押しつけらると言っていた。私も以前、ヒサコを乗せて運転中、公衆トイレがあったので「ギボヒサコさん、トイレは行かなくていいですか?」と尋ねると「ううん、いいよ」と言うので、そのまま通り過ぎたら5分もしないうちに「トイレはないかねー」と言われて参ったことがある。とかくギボヒサコは判断責任を自分に置かず、他人のせいにする癖があり、それでカールがいつもカリカリしている。
あまり本音を言うのははしたないとでも思っているかのようだ。だが、それが良い風に作用することもある。デイサービスなどでは彼女は評判がいいのだ。職員に言わせると「ギボヒサコさんは誰それの隣は嫌だとかそんなわがままは決して言わなくてほんと助かります」だって。いや、本当は好き嫌いがあるんですって。
うむ、ここはこらえよう。彼女はそんなタイプだと・・。
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