2017年5月29日月曜日

実はあそこが・・

この前から腹部症状で精査していた40代男性患者、それまでの検査で腹部のリンパ節が多数腫大しリンパ系の病気ではなかろうかとのことで他院紹介予定であった。今日は念のための大腸内視鏡だった。ところが検査を担当した千門Drが「睾丸腫瘍を考えます」とのコメントを残していた。何?と患者さんにズボンを脱ぐよう指示すると、そこにはでっかい睾丸が!径10cmを越えるほどのもので左の睾丸のみ大きく腫れていた。こ、これは・・。これまで原発不明か悪性リンパ腫かと考えていたが精巣腫瘍がまずあってその転移が腹部に広がっているとみて間違いない。過去歴を調べると左の停留睾丸で13、4年前に手術を受けていたことも分かった。停留睾丸の人には精巣腫瘍が発生することがままある。

「いつから腫れてきたの?」「去年の11月から」

本人は異変に気付いていたのだ。腹部CTも撮っていたが睾丸の上まではスキャンしていたもののそんな下までは普通撮影しない。ああ、本人からの申告がなければなかなか気付かないわぁ。しかし非常勤の千門Drは検査の際にふと精巣腫瘍もありうるなと尋ねてみたとか。患者は検査着でいたのですぐに確認できた。写真は出せないが、みれば医者なら誰もがそれを疑うにちがいない代物だった。この前ミニ同窓会で会った泌尿器科の治ったかDrにも電話相談してすぐに治療してくれそうな病院をあたり紹介状を書いた。

患者さんはなんでもすべてを医師や看護師に伝えるとは限らない。もし半年前に「おちんちんが腫れてきて」とか言ってくれればここまで悪化しないで済んだだろうに。恥ずかしさを感じている場合なかなかに言いにくいのだろう。気になる症状があれば何でもしゃべって欲しい。場合によっては自分が思っている以上に命に関わることもあるのだから。

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