長島のバタフジ先生に当番医を頼まれ朝から出かけた。外は好天気、行楽日和だったが、連休の中日ということで新幹線も肥薩おれんじ鉄道も混んではいなかった。
夕方までいて意外に多かったのが発熱の患者さんでインフルエンザを心配する人もいて何人か調べたが陽性はゼロ。ほぼ収束しているようだ。
一番最初に来たのが中学1年の男の子で釣り針が指に刺さってしまったという。こりゃ引き抜けないね。浸潤麻酔をした後、ぐいっと押し込み先か後ろをレンチでブチッと切断し抜いて上げる。見た目は怖いが最初の麻酔だけが痛いだけだ。
大腸内視鏡も組まれていて4件あった。午後もポツポツ患者がいて合間合間は久しぶりにクリスティーを読んだ。ごくごく初期のポワロ物で「ゴルフ場殺人事件(1923)」。処女作「スタイルズ荘の怪事件(1920)」に続きヘイスティングスがワトソン役を務める。購入したのは平成元年で読まずに放置していた5、6冊の中の1冊でこれを読めば古い小さな活字の文庫本ともおさらばできる。昔はこんな小さなのを気にせず読んでいたんだ。この本は日本語タイトルで損をしていると思う。確かに被害者はゴルフ場で発見されるがゴルフのプレイは全く出てこない。原題の「リンクスの殺人」の方がいい。別の出版社では確かそうなっているはずだが全作品を文庫化している早川書房のタイトルが一般的になっているので仕方ないか。
実は久しぶりに犯人当てに失敗した。霜月蒼氏の「完全攻略」では「・・あちこちで小さな謎に出会うが、後にこの謎たちが氷山の一角でポワロの推理によって暴かれるこの氷山、かなりの大物である」と解説されていて、それを私はおおよそ推理できた。で、それに安心してしまったきらいがある。解説でもそこをクライマックスに持って来ればもっとインパクトが強まったのにと霜月氏は残念がっている。真犯人を当てるよりそこがキモのミステリーだったのだ。例によってNHKBSでも平行して「ゴルフ場」を見た。ほぼ原作通りなのだが真犯人は途中ほとんど画面に出てこない。当てるのは相当難しいわ。
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