ある病院の元院長が胃癌になって近々手術を受けるという噂を聞いた。皮肉なことにその先生は胃癌診断で高名な方である。この手の不思議な因果関係ってよく耳にする。
以前、TVでちらっと見たのが脳腫瘍の専門家がまさに悪性の脳腫瘍になって自分で診断し、やがて自分は物事の判断もつかなくなり死ぬであろうと言いその通りになって亡くなる話だった。またホジキン病という滅多に罹らない悪性リンパ腫の専門家がその病気になって亡くなったという話も聞いたし、それに学生時代に読んだ「ガン回廊の朝(あした)」柳田邦男著はオープンしたばかりのガンセンター初代所長田宮猛雄が実は胃癌に冒されていたというエピソードから始まる。医師が自分の専門の病気になり果ては亡くなるパターンがあるんだとその時知った。小説「白い巨塔」でも主人公の財前五郎は胃噴門部癌の専門家だが結局は噴門癌で死ぬ設定だった。まあ野口英世のように専門の感染症研究で自分も罹患し亡くなるというのは分からないでもないが専門の癌で亡くなるというのは一種の都市伝説だろう。たまにそれが一致すると世間は結びつけたがるものだ。
私は自分は胃癌や大腸癌では絶対死にたくないと常に思っている。その予防のために胃カメラ受けましょう、大腸内視鏡受けましょうと患者さんらに言い続けているのだから。それで亡くなったら悔しいもん。おっとそうだ、胃カメラは毎年受けて今年もすでに受けているが大腸内視鏡は4年に1度で今年がその年に当たっている。まだ受けていないのでそろそろだ。また自分で自分の大腸を検査しちゃうよ。今月、遅くとも来月にはやろうか。
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