今日の午後は早帰りの予定だったが、12時半頃「薬のシート(PTP)を飲み込んだ人が来ている」との連絡あり緊急で内視鏡をすることになった。よくいるんだよなあ、PTPをハサミで切って準備している御老人が。これは非常に危険な行為で最近のシートは簡単に切り外せないようになっているのだがハサミを使われては仕方ない。この人は痔の内服薬を2錠分まとめて誤飲してしまった。のどの奥に引っかかってどうしても引っかかりがとれないという。
当初、新品の290シリーズの胃カメラで摘出しようとしたが、摘出に使う太めの胆石砕石用の特殊な鉗子が入らない。それで2チャンネル内視鏡という一番太めで処置しがいのある胃カメラでチャレンジした。見れば訴えどおり上部食道にPTPが嵌まっている。鉗子でどうにか挟み込み引き上げようとした。PTPの角は粘膜にあたり出血をさせてしまう。見た目血まみれでひどそうだがこのくらいではひるまず引っ張りどうにか取り出せた。2X4cmのきっちりとしたPTPであのまま放置されていたらいずれ食道に潰瘍ができ下手すりゃ穿孔まであったかもしれない。うまく胃から腸にまで流れても盲腸に入る弁で引っかかって腸閉塞、手術になった人もいた。なかなか侮れない薬シート(PTP)なんである。
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