2021年9月3日金曜日

へっ、管さん辞めるの

昼休みにTVを見たら「管首相、党総裁選に立候補しないことを表明。首相も退任することになりました」とやっていた。へーーえ。確か昨日までは総裁選に意欲ありとか言っていた気がするがー。

で、さっそく左翼系のマスコミの論評が「コロナ対策が後手後手に回り、国民の信頼を失った」「オオリンピックに固執し日本選手が金メダルをとれば世の中が盛り上がってコロナ対策に対する不信、批判も和らぐ。その勢いで衆議院を解散して選挙でそこそこ自民党が勝てば自分の再選も確実になるというシナリオをずっと一貫して描いてきた」「結局、国民をナメていたツケが一気に回ってきてしまった」などあったのだが、ちょっとそれには違和感を覚えた。

では立憲民主党が政権を担当していたらコロナ対策は万全だったのだろうか。おそらくどの政権であって国民の批判を受けたと思う。今回のコロナ禍は人類にとって未曾有のものであり完璧に事を運べている国はどこにもないからだ。台湾は封じ込めに成功したと言われていたがワクチン接種に後れをとった。イスラエルはファイザー製ワクチンの早期大量接種で感染者数を大幅に低減出来たがデルタ株の流行で増加傾向になり三度目接種を考慮中だ。アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツなど先進国といわれている国々でも多数の死者を出した。私がワクチン接種推進派の急先鋒の立場なのはこの日記を読んでいる人なら承知だろう。その観点から言えば菅首相はよくやったのではないかと思う。ワクチン接種率は最初は遅れていたが一時期1日100万人以上の接種、現在は60万人以上の接種で、そろそろアメリカを抜きドイツも今月末には追い越す。東京での新規感染者数はすでにピークアウトしつつあるし、なにより高齢者の重症者、死者が激減している。無論、高齢者のワクチン接種率80ー90%を達成しているからである。若い人たちへも接種が進んでおりじきに感染は落ち着く。他のどんな方法より管首相の「ワクチン1本足打法」は有効であって、決して間違いではなかった。

オリンピックについては無観客にはなったが、ちゃんと出来たではないか。支持率アップを目論んだからというより、これだけのビッグイベントを引き受けたからには政治家としてやり抜かねば国としての信頼がなくなるという思いの方が強かったのではないか。コロナ患者は期間中増加の一途だったが別にオリンピックのせいじゃなかったしね。医療ひっ迫を招いたのはオリンピックよりも役人や私たち医師会の対応もまずかったのじゃないの?私は去年の7月の鹿児島県の医療界のコロナ対策オンライン会議を参加視聴していたが、うちの可愛いんだ理事長の積極的な発言に対し某有力病院院長は及び腰な発言が多く(現在はきちんと対応してくれている)、これは感染増加の時には慌てるぞと思っていた。

それらを「国民をなめていた」との一刀両断は一方的な批判に思える。就任時から火中の栗を拾わざるを得ない立場であって支持率低下は致し方なかった。次期首相になる人はコロナも落ち着く頃に就任するのでツキがある。しかし管首相の功績もそれなりにあったのだと忘れてはならないと思う。

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