2021年9月16日木曜日

措置中ならうまくいかなかった

コロナの「まん延防止等重点措置」が姶良市でも適用され9月12日まで実施されていた。そのため院内へ不要不急の業者は簡単に出入り出来なくなった。2週間に1回程度の薬品説明会も中止または延期されていた。他に内視鏡室に来てくれる業者さんも制限されていた。しかし9月13日から姶良市は霧島市とともにその措置が解除された。鹿児島市は9月30日まで延長されるらしい。

そんな中、外科の信号Drから「6月に内視鏡で減黄処置してもらった高齢女性がまた黄疸が出ている。胆道チューブの入れ替えをしてもらえないか」と頼まれ、即OKではあったが、もともと十二指腸乳頭に腫瘍があり今後もくり返すことが懸念される。通常のERBD(プラスチックタイプ)ではなくEMS(金属タイプ)のステント留置がいいのではないかと思った。そうすることで長期に渡って胆汁の良好な流れを保つことができる。ただそのステントにもいろいろ種類があり、そのためにはいつもお世話になっている医療器具の会社の会いたかさんに来てもらいたい。連絡すると今日の午後ならOKだそう。

16時ごろから検査&処置が始まった。胆道チューブはそもそも2、3ヶ月で詰まる。しかしこの患者さんの場合はチューブが総胆管にそのまま入り込んでしまっていた。あわわ、これは面倒。このチューブ取り出しに時間がかかった。8線バスケットカテーテルに引っかけて抜こうとするもなかなか引っかからない。すると、会いたかさんが「フラワーバスケットカテーテルを試してみては」とアドバイスしてくれる。そうか、やってみよう。それもすぐにはうまくいかなかったがチューブのフックに掛かってどうにか引き出せた。ふう、これであとは金属ステントだ。

ステントにもいくつも種類、大きさ、長さがあって造影画像をもとに何が一番適当かを決めねばならない。そのため会いたかさんはたくさんの製品を持って来る必要がある。このあたり「まん防」措置中だったらうまくいかなかった。うちの内視鏡室にそうそうたくさんの在庫はないからだ。↓は兵庫県内の某病院の一例で、今回の場合とほとんど同じもの。
この高齢女性はこれでしばらくは黄疸に悩まされることはないだろう。いやはや、コロナによる非常事態宣言やまん延防止等重点措置はこのように一見関係ないように思える医療行為にも影響を及ぼしているのである。早く終息(収束)してほしいね、ホント。

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