高齢者へのコロナワクチン接種が本格的に始まりつつある。青雲会病院では6月1日から接種開始予定だ。それで最近、外来診察時に毎回と言っていいほどこのワクチンのことが話題になる。一番多いのが「予約が大変」というもの。「電話してもつながらない」など確かに面倒を掛けているようだ。だがそれはある程度仕方ないことだ。全国3千万人以上いる対象者がこの数ヶ月で受けようというのだから物理的時間的に混雑するのは自明の理。この姶良市だけでも2万人以上いるわけでこれを単純に3ヶ月で実施するとしても各施設合わせて平日に毎日約300人接種、その予約に1人ずつ対応するだけで時間を取られるわけだから「なんでつながらないんだっ」って怒ってもしようがないことなのだ。24時間TVショッピングのコールセンターのように100人を越える受付スタッフがひっきりなしに掛かってくる電話コールを次々に裁いているわけではないのでそこは分かってネ。
この他、「私はワクチンを受けて大丈夫なんでしょうか」も多い。これは問診用紙に「持病がある方は主治医に受けてもいいか確認して下さい」の文言があるからだ。私の感じでは9割5分以上の人が受けて何ら差し支えないので即「大丈夫です」で終わる。ただ中には「私は受けないつもりです」という高齢女性の人がいた。「え、どうして?」と尋ねると「インド株には効かないとTVで言っていたから」だと。はあ?だ。インド株に効くか効かないはまだはっきりしているわけではない。しかし私がこの前見たTVの某大学病院の先生はデータを示し「イギリス株やインド株にもある程度有効」との見解を示していた。だから「絶対に打つべき」と指導した。というよりイギリスかインドか知らないが、まずはワクチンを打って損はない話なのだ。損どころか大いに得のある話ですらある。それをわざわざ見逃すってか。
この人は当然マスクをしていた。それはなぜ?コロナに少しでも罹りたくないからでしょ。ワクチンはそんなマスクよりずっと罹る可能性を下げてくれる実に有り難い代物(アイテム)なんだ。TVやネットをチェックすればこんな自明の理をちゃんと把握出来ていない人が一定の割りでいるんだな。情報リテラシー(informationliteracy)=情報活用能力=情報を自己の目的に適合するように使用できる能力、これが今の時代非常に重要になっている。ちゃんと活用出来ない人は今のコロナ禍の中、命まで失う可能性すらあるってことだ。文科省もこの世間に溢れる「情報」をきちんと活用できる能力を子どもに教育していく必要があるだろう。Wikipediaで調べると「・・1998年の小中学校学習指導要領の改訂の中で生きる力の育成が目玉とされ(その一環として情報活用能力が重要視される)たりするなど、様々な取り組みが進められた。」とあり今のこどもたちにはその手の教育もなされてはいるようだ。ふむ。
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