2021年3月31日水曜日

卵巣だけど子宮

水曜の私の業務は外来と救急だ。午前はまた下血患者が来たけれど忙しさはまあまあ。しかし、昼休み休憩中にカッコちゃんNsからのピッチ連絡で一変した。救急車で44歳の左下腹部痛の女性が来るという。救急外来に行くと今度は90歳近い高齢女性の感染症患者の受入要請があった。はあ、時にある救急車2台対応かい。おまけにブルゾンNsが外来カルテを持って来て「外来に90歳代の血便の患者が・・」に「あー、ダメ。もうダメ。そこまでは診られない」とはっきり断った。実際無理な話で、こういう時ははっきり断らないと。

左下腹部痛の女性には圧痛がはっきりあり、何かしら腹部に異常があると思われ、まずは腹部CTを指示した。次に来た高齢女性は状態がやや悪く入院が必要だ。そのうち腹痛女性のCT画像が届いた。放射線技師からの連絡で左の卵巣がえらく腫大しているという。むむ、これは卵巣嚢腫の茎捻転だろう。卵巣は良性腫瘍の多い臓器でこれが大きくなると子宮につながっている靱帯がねじれて卵巣に血液が届かなくなり、組織が腐ってくること(壊死)がある。激痛が起き我慢できずに救急車を呼ぶ羽目になるのだ。この人の場合、本来は3cm程度の卵巣が7cmX10cmほどにもなっていた。これは手術が必要だ。となれば婦人科のある病院に紹介転送しなくては。で、搬送してきた救急隊員には待機してもらった。
カッコちゃんNsに「まずは今綺麗病院がいいんじゃないですか」と言われ「なるほど、そこがダメなら一律病院か」と、今綺麗病院に電話連絡した。婦人科外来につないでもらうと婦人科の外来看護師が出た。事情を話すと「先生に連絡してみます」とのことで待機した。少し時間がかかった。大丈夫かな。やっと電話に看護師が出ると「すみません。先生が見つからなくて・・」と少し申し訳なさそうだ。で、看護師が「でも(この案件は)至急ですよね」と言うので、間髪入れず私はこう答えた。

「ええ、卵巣だけど子宮(至急)です」

これに看護師はワハッ!と吹き出した。そこから急に和んで「もうちょっと待って下さい」と言われ、その後担当Drに代わり受け入れてもらえることになった。ふふ、真面目な業務会話にこんなジョークを混ぜると受けるんだよねぇ。この「XXだけど〇〇」を私は昔からよく使う。この前もマキシン内科の看護師から電話があり「京田(きょうでん)」という患者さんが前日から腹痛があって今から診てもらえないか」との依頼に「昨日から痛いのに今日でん?」と返事したら爆笑してくれたヨ、ハッハー(⌒о⌒)。

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