当直明けだったクニンダDrは両側肺の浸潤影があって呼吸困難の救急患者を受け入れた。レントゲン像から肺炎もしくは心不全の悪化あたりが考えられ、時節柄コロナウイルス肺炎も当然考えられた。呼吸状態は非常に悪く気管挿管をしなければならなかった。でもコロナが疑われるとなるとこの病院に入院させるわけにはいかない。それで郡内で拠点病院になっている七五調病院に連絡するも「コロナと確定したら受け入れる」と断られた。え?コロナって確定診断するには保健所に連絡して仮に検査してもらえても2日近くはかかる。この患者さんはその間どこで治療せよというのか。しかし幸いと言っていいのか、CTを撮り画像診断し採血結果など総合的に診断すると心不全の悪化が一番考えられ、「心不全での重症患者」ということで鹿児島市内の病院に受け入れてもらえた。救急搬送にも付き合い、結局クニンダDrは午前中の内視鏡室業務は全く出来ず、残った2人の担当Drに加え、外来だった私が合間合間に手伝ってやりくりした。
これが本当に新型コロナ肺炎が疑われればどうしようってなる。現状ではインフルエンザ検査キットのように簡単に診断できる方法がない。感染者ならきちんと対策できる施設でないといけない。その施設もおそらくは周囲から入院要請がたくさん来ていて断らざるをないのだろう。どこも受け入れてもらえなければ、結局重症の患者さんを受け入れて入院させ、鹿児島県はまだ未感染地域なので9割方コロナのはずはないと信じつつリスク覚悟で治療せざるを得ないのだ。
当初は「新型コロナってそういえばブルーバードも新型出なくなったしー」なんて軽口を叩いてたが、冗談言うどころじゃなくなってきたよー。
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