パソコンが届くまでの間、TVで録りだめビデオを見ていた。NHKBSのアナザーストーリーでは「金大中(キム・デジュン)誘拐事件」、ダークサイドミステリーでは「徹底解明!超常映像の謎のに迫る!」を見た。
金大中事件(当時は「きんだいちゅう」と呼んでいた)は昭和48年に東京のホテル「グランドパレス」で誘拐された事件で当時大きな話題になった。元韓国大統領候補金大中は5日後に韓国ソウルの自宅で発見され、今では犯人は当時の韓国の諜報機関KCIAと判明している。しかし日本と韓国の政治背景もあり日本側も真犯人を不問にするなど「政治決着」した部分もあったそうだ。韓国では後に事件のレポートを作成しそこでははっきりと犯人をKCIAとしたのは当然だが、朴正熙大統領の関与も否定できないとまで言及していたのには驚いた。そこを突くと問題になるので日本側は敢えて触れなかったのに(実際は当時のKCIAトップの李厚洛=イ・フラクが中心になって計画された)。思ったのが、韓国は朝鮮王朝の時代から王様の評価を実録として保存しておく伝統があるということ。それには国王といえども介入出来ない決まりだった。そんな伝統がその事件の顛末にも出てくるのが面白い。
誘拐された舞台「ホテルグランドパレス」は東京九段にあり、私が初めて東京に行った際の宿泊ホテルだった。事件から6年後のことでもあり無論安いツインの部屋に弟のヒラーキと泊まっただけであり金大中が泊まっていたような大きな部屋ではなかった。あと、このホテルは当時プロ野球のドラフト会議の舞台でもあった。江川事件の余韻がまだ残っている時期で、パンチョ伊東さんの「第1回選択希望選手 読売 〇〇」という名司会ぶりも記憶に残っているナ。
ダークサイドの「超常映像」は2年くらい前の再放送で、家の中の家具や食器が急に動き壊れるビデオ、いわゆるUFOが空を急旋回するビデオなどが実はすべてねつ造されたという明らかな証拠を示したり、アメリカの空軍基地で巨大UFOが動く映像は「こんな宣伝もできる」というPRビデオだったり、はたまた不思議な自然現象が実は超常現象でもなくて珍しいけど現実に起こりうる現象だったり、と何でも「超常」にして不思議がらせたり驚かしたりするのは間違いであるという明確なポリシーがあって実に好ましかった。
先月もテーマが歴史ミステリーの謎で、魅惑的な話題が実はほとんどが大衆のこうあって欲しいという深層心理(例えば源義経は実は平泉では死んでいなくて逃げ延びて蒙古のチンギスハーンとなっていた)や個人のねつ造(古代、津軽の地に大和政権に対抗する東北王朝があったという「東日流外三郡誌」は実は全くの偽書であった)であるというのが面白かった。
私はこのような「実は真相は」といった暴きものが好きなんだな。学生時代から「噂の真相」誌を毎月購入していたのが今はTVやビデオで「暴きもの」を楽しんでいる。人の性質は30年、40年経っても変わらないものだ。
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