6/15号の週刊現代に「NHK朝ドラ『おしん』の田中裕子を語ろう」という特集があった。おしんの夫役並木史朗(現:並樹 史朗)とおしんの奉公先のお嬢で関わりの深い加代役の東てるみと司会のフリーライター木俣冬(きまた・ふゆ)さんの鼎談である。
4月に始まった再放送は欠かさず見ているが、以前も書いたように有名な小林綾子の子役時代も面白いが田中裕子演じる青春編、試練編も相当に面白い。脚本がすごいのと田中裕子の存在と演技があってのおしんだったのだなと分かった。それでこの特集は非常に面白く読めた。なかでも並樹史朗の証言はすごい。
「東:撮影が進むにつれて、小林綾子さんの少女編の視聴率がどんどん上がっていく。そのバトンを受ける裕子ちゃんは相当なプレッシャーだったと思います。慣れない脚本に加え、撮影中に過労で倒れたことからも、どれだけ過酷な状況だったかが分かります。
並樹:はい。裕子さんは演技中に、僕の目の前で突然、気を失ったんです。パタリと倒れるまで演技をし続けた彼女の姿から悲壮な覚悟を感じました。竜三の執事の源じい(源右衛門)役の今福將雄さんが咄嗟に抱きかかえたんですが、「夫であるお前の役目だろ」って感じで裕子さんを抱きかかえる役を僕に代わってくれた。
救急車がきて裕子さんはそのまま入院、撮影は1ヵ月休止になりました。」
入院だって?1ヶ月も?驚いた。源じいが生きているから現放送の撮影のころだ。橋田壽賀子の脚本はセリフが多いというのは有名で覚えるだけでも時間を取られるし「おしん」では田中裕子は出ずっぱりだから休むひまもほとんどなかった。1年間の長丁場ドラマでもあったし体調不良になることも予想されたはずだが、それにしても1ヶ月撮影休止は大問題だったろう。
この作品が外国でも評判を呼び視聴率も良かったと聞くと、いかにも日本的な内容の話かと思いきや描かれている人としての生き方は万国共通なんだなと思わざるを得ない。それを渾身の演技で体現した田中裕子は素晴らしい女優だった。彼女はその後も映画、ドラマで活躍するが「おしん」は代表作としていつまでも語り継がれるだろうと思う。
ずいぶん「おしん」を見ているような気がするが、まだ全体の1/4のを過ぎたあたり。まだまだ楽しめるってのはうれしい限りだ。
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