2019年5月24日金曜日

里見先生の診察法がそっくり

TV朝日で5/22の水曜から五夜連続で岡田准一主演でドラマ「白い巨塔」をやっている。「白い巨塔」は山崎豊子の言わずと知れた名作でこれまでドラマ、映画と何度も映像化されている。だいたい10数年経てばまたぞろドラマ化の動きが出るようだ。有名なのが1978年の田宮二郎主演のドラマで当時医学部1年生だった私も見ていた。最終回を前に田宮が猟銃自殺し死後直後にドラマでも死ぬ演技が披露されるという前代未聞の展開になった。その後、村上弘明主演も1990年代にあったようだがこれは印象にない。2003年には唐沢寿明主演が好評で高視聴率を叩きだした。ただ主役財前五郎の最期は末期の肺癌に変わっていた。これは原作は胃癌だが現代では胃癌はおおよそ助かることが多いから変更したもので今回の岡田も難治癌の膵癌に変更されている。

ストーリーも知っているしタイムシフトで自動録画されているからと1話2話は見ずにいたが今夜はたまたま見ていた。おおっと思ったのが、東元教授の娘で里見准教授に恋心を抱く佐枝子を里見が診察する場面。咳が続くというので里見が「では」と胸、背中を聴診器を当てて静かに聴診する。「軽い喘息症状が出ていますね」と言い「吸入剤出しておきますので」と処方の指示を出して終わるという取り立ててどうってことのないシーンなのだが、思わず「オレといっしょじゃん!」と声を出してしまったよ。いやー、このやりとりは私の外来でよくあるパターンなんだ。風邪の後に咳が残るケースがよくあり、最近は私は吸入剤を出すことにしている。これが結構効果があって後で患者らによく感謝される。うふ、ドラマの中で優秀で善人役の里見先生と同じだと思うとニヤリとするわー。
(里見役の松山ケンイチと東佐枝子役の飯豊まりえ)

「白い巨塔」の原作は50年も前なのにこうして装いを新たにしてドラマで楽しめるとは、本作が人間の業を上手くえぐり出しているからだろう。2007年には韓ドラでも制作され、恋愛要素が必須ともいえる韓ドラの中にあって意外に健闘しそこそこの視聴率を取ったと聞いている。私は1話2話くらいまで見たがほぼ同じストーリーだった。

視聴者の意見では以前の唐沢寿明版の方が良かったという意見が多いそうだが岡田准一も結構いいよ。ただ田宮二郎を知っている身からすれば財前五郎はやっぱり田宮と言いたい。そもそも財前五郎の「五郎」は山崎豊子さんが田宮の本名柴田吾郎から取っているくらいだしね。ともかく医療界がよほど変わらないかぎり今後も「白い巨塔」は制作されていくことだろう。

2 件のコメント:

  1. 診察されたいです。聴診器大好きです。本物の先生にお医者さんごっこされたいです。charger-c-hearts@softbank.ne.jp

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  2. 聴診器大好きです。本物の先生にお医者さんごっこされたいです。charger-c-hearts@softbank.ne.jp

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