2019年4月23日火曜日

晴れた日が続くと増える病気

日常の診療をしていてこんな日が今まであったろうか。ああ、インフルエンザ患者ならある。いやあり過ぎるほどだ。でもそれは強い感染力という明白な理由がある。1日に同じ病名の患者が5名も10名もやって来るのはたいてい感染症なのだ。ところが今日、内科外科のDr4人にそれぞれやって来た30代から50代の5名の患者は大腸憩室炎という感染力ゼロの人たちだったのだ。

午後になって腹痛の患者が数名いると聞き診察を始めた。病歴を調べると2人が以前に数回憩室炎を起こしていると分かり当然その線で検査を進めた。もう1人腹痛患者が来ていると聞き手が回らないのでクニンダDrに診てもらう頼んだ。採血、腹部CTで3人とも大腸憩室炎と判明し、2人は入院、1人は症状も所見も検査データもぎりぎり外来治療で可能と判断した。憩室炎患者は普段は月にせいぜい1〜2名程度の印象で「今日は憩室炎が多いな」と側にいた看護師に私は語った。ところが午前にピッピDrが診た患者が上行結腸に憩室炎で入院していたし、外科にも憩室炎の患者がいてこれも入院していたのである。

「おい、憩室炎って伝染するんか」と言いたくもなる。でも別に高齢で弱ったお年寄りではなく29才男性、39才男性、49才男性、55才女性、56才女性と皆働き盛りの人たちだ。それが申し合わせたように同じ日に外来にやって来た。これはいったい・・。

以前有名な発表をした外科の先生がいて「晴れた日に好きなゴルフに行こうとすると虫垂炎の患者で病院から呼ばれる」これは「気圧が高い日は顆粒球の働きが活発になり虫垂炎が起きやすいからでは」と推測していた。憩室炎も基本的には虫垂炎と同じ病態である。で、虫垂炎は冬より夏に多いというのは多数症例からの本当のデータだ。暖かい日に虫垂炎が多ければ先週末から暖かい日が続いていたので憩室炎を起こす人が増えた・・。全くの偶然にしては5名は多すぎて、そう思わざるを得ないのであった。

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