2017年7月19日水曜日

大医師永眠

ニュースで昨日の18日、日野原重明さんが亡くなったという。105才だったそうだ。100才を越えてもなお活動しているという情報はちょくちょく出ていていったいいつまで現役なんだと驚嘆の思いでみていた。私が初めて先生の講演を聴いたのは20年近く前、第二内科の記念講演に鹿児島に来た時だったが半分眠りこけてあまり印象に残っていなかった。しかしちょうど10年前、第三内科の納教授の退官記念講演に招かれた時は市民文化ホールにカールと聴きに行き感動したことを覚えている。その時95才。1時間以上をずっとステージに立って動いて語り続けていた。こんな95才がいるのか。驚いて書いた、その時の「こてる日記(2007年3月31日)」を抜粋しよう。タイトルは『大老「日野原重明」』 だった。

「・・ただただ圧倒されたのである。座ってしゃべるのかななんてとんでもない、胸に着けたマイクで壇上を右に左に動き少しもじっとしていない。言語の発声は明瞭で一般の人にも分かりやすく、内容も若い世代に良き伝統を伝える必要性を強調するものであった。

・・大拍手に包まれた。

講演も素晴らしかったが、私も含めて聴衆の方々が後々まで思い出すのは、その内容よりも95才という年令を感じさせない先生の存在そのものであろう。先生はよど号ハイジャック事件遭遇、地下鉄サリン事件患者収容など歴史的な事件にも関係してきた。余人には真似ようとしても出来ない歴史が内包されている。ただ者ではない大老の貫禄に皆は圧倒されたのだ。」

これだけの人物であるから葬儀も盛大になる模様で聖路加病院葬として今月29日に行われるという。

で、同じ日の南日本新聞の死亡広告欄に元第二内科教授「有馬暉勝」氏の告知がひっそりと載っていた。なんと、7月15日に亡くなりすでに家族、近親者のみで行われていた。故人の遺志によりそうしたとのことだ。えええ、と思ったよ。本人の遺志だったとはいえ第二内科の教授であったとあれば・・。日野原先生との落差になんとも言えぬものを感じたのだった。

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