「・・ただただ圧倒されたのである。座ってしゃべるのかななんてとんでもない、胸に着けたマイクで壇上を右に左に動き少しもじっとしていない。言語の発声は明瞭で一般の人にも分かりやすく、内容も若い世代に良き伝統を伝える必要性を強調するものであった。
・・大拍手に包まれた。
講演も素晴らしかったが、私も含めて聴衆の方々が後々まで思い出すのは、その内容よりも95才という年令を感じさせない先生の存在そのものであろう。先生はよど号ハイジャック事件遭遇、地下鉄サリン事件患者収容など歴史的な事件にも関係してきた。余人には真似ようとしても出来ない歴史が内包されている。ただ者ではない大老の貫禄に皆は圧倒されたのだ。」
これだけの人物であるから葬儀も盛大になる模様で聖路加病院葬として今月29日に行われるという。
で、同じ日の南日本新聞の死亡広告欄に元第二内科教授「有馬暉勝」氏の告知がひっそりと載っていた。なんと、7月15日に亡くなりすでに家族、近親者のみで行われていた。故人の遺志によりそうしたとのことだ。えええ、と思ったよ。本人の遺志だったとはいえ第二内科の教授であったとあれば・・。日野原先生との落差になんとも言えぬものを感じたのだった。
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