今日は土曜だけど午前外来、午後は日直で夕方まで勤務だった。これが忙しいって・・。昼過ぎまでに5人も入院させたよ。肺炎、糖尿病、肝硬変、憩室炎、貧血。この間一時10人近くまで減っていた患者数も18人にまで増えた。やれやれ。
それはともかく、今日の南日本新聞で一番興味があったのが鹿児島県の「ピロリ菌検査事業」の記事だった。これは県が今年から高校1年生にあたる生徒に尿検査でピロリ菌の有無をまず調べてあげて(無料)、陽性と診断された生徒にはピロリ菌除菌を勧める(自腹)というものだ。対象生徒は107校1万6千人ほどのうち91.2%1万4千5百人が受診し3.7%にあたる534人が陽性だったという。へー、今の日本の若者は5%くらいしか陽性者はいないと知っていたがそれよりやや少ない頻度だったか。昭和20年代までの70ー80%が陽性だった頃と比べると隔世の感がある。
アドバイスするとすれば陽性者は除菌を絶対にしたほうがいい。なんてったってピロリ菌は将来の胃癌の原因になりうるからだ。あと若い人でスキルス胃癌(昨年亡くなった鹿児島県出身の黒木奈々アナもきっとそう)もピロリ菌が原因である。ずっと以前から20才の記念のピロリ菌判定事業でもやればいいのにと思っていたので今回の県の施策は大いに評価したい。ただ500人くらいの感染者なら除菌療法まで無料にすればいいのにナ。保険では胃カメラをして処方する決まりだが高校生にはほぼ胃カメラは不要で処方やピロリ菌の再検査だけなら1万円以下で済むはず。一次検査での予算は3千7百万くらいだったかそれに比べれば5百万位の上乗せはまかなえない額ではない様に思える。こうすることで何十年後の胃癌患者は今の半分、もしかすると2割以下くらいまでに減るだろう。これってすごい。
除菌が日本で始まったこの17年、ピロリ菌除菌を何千人もやって来た私はうちの子ども3人に高校生のころピロリ菌を調べさせた。それが、ぬぁんとみんな陽性だった。当然全員除菌させた。知らずに保菌している若者がまだいっぱいいる。乳癌だけでなくもっと気軽にピロリ菌検査ができるよう仕組みを作って欲しいし、私ももっと啓蒙していきたいと思った。
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