麻雀卓が直ってダイボDrを迎えて闘牌するのは1ヶ月ぶりだった。ところがだ、開始半荘のオーラス、またも調子がおかしくなった。前回故障したところは大丈夫だったがその隣のリフターの留め金が壊れた。残り1回を手積みでやり私がトップを取り一旦終わり、またもや5年間お世話になった雀荘「最高」へ出かけた。1ヶ月前といっしょじゃないか。結局、前回同様私は勝った。「最高」ではなぜか勝率が良かったからなー。
ところでそこのオヤジさん、今月で引退するという。なんでも心臓が悪く雀荘の仕事は止めなさいと医者に言われたんだそうだ。後継者は息子かな?今日ここに来なければオヤジさんともずっと会わないままだったろう。雀卓の故障に感謝(?)か。
麻雀に行く前にアガサ・クリスティーの晩年の作品「終わりなき夜に生まれつく(原題:Endless Night)」を読み終えた。実はクリスティー作品に対して読む前から犯人を知っていた作品が5作品ほどあったのだがこれはその一つだった。だからずっと読む気がしなかった。しかし最近の愛読書、霜月蒼の「アガサ・クリスティー完全攻略」ではこの作品相当に評価が高く全作品中第3位であった。そして「・・繰り返そう、これは傑作だ。ここには、クリスティーが描いてきたほとんどすべてのモチーフが投入されている。総決算。しかもそれが比較的みじかい尺のなかで堅密に凝縮されているのだ。暗く美しい結晶のように。ここにはクリスティーのすべてがある。だから是非ともすべての人に本作を読んでいただきたい。・・煎じ詰めればただひとつ『すごいから読め』に尽きる」とまで言われては・・。
ただ読んでいていったいいつになったら事件が起きるのかと思った。半分読んでもまだ、2/3過ぎても起きない。24章のうち17章になってやっと起きる。しかもそれが殺人かすらはっきりしない。事故のようだ。このあたりから一気呵成に読み終えた。ふーぅ。クリスティー自らのお気に入りと聞いているが凄みとともにじーんと余韻を残す作品だった。しかもちゃんとミステリーで伏線や手がかりはきちんと示されている。霜月氏が指摘しているようにあの作品、この作品のパターンを踏襲してはいるが犯人が最後にみせる展開はこれまでのクリスティーにはないものだった。霜月氏はクリスティーを現在の作品として読んでどうかに評価の重点をおいている。だから歴史的名品といわれる作品やスパイスリラー系には点が辛い。
NHKがBSで毎週のようにポワロ物を再放送してくれるので読むだけでなく見る楽しみも増えた。昨年末はクリスティーの代表作「そして誰もいなくなった」のイギリス製作版も放送された。今度は来週テレビ朝日が日本版「そして誰もいなくなった」を二夜連続でやるという。仲間由紀恵らキャストをみると津川雅彦、大地真央、渡瀬恒彦、柳葉敏郎、余貴美子、國村隼、向井理、橋爪功、藤真利子の10人に沢村一樹、荒川良々と超豪華だ。渡瀬恒彦はつい最近亡くなったばっかしじゃないか。「そして誰もいなくなった」は私が高校の頃初めて読んだクリスティー作品だ。「オリエント急行」と並んで映像化が多い作品でもあるがこれまで見たことはない。渡瀬は判事役だと。うわ、作品でも現実世界でも自分が死ぬと分かっていたのか。きっと遺作としてこの作品に向かい合ったはずだ。絶対見てみよう。
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