年1回の大腸癌検診研修会に参加した。検診患者を診る施設は参加しないといけませんよという半強制の会で前半は検診の現状と報告などで後半はゲスト講演だ。今回は秋田赤十字病院で長らく活躍しつい最近札幌医科大消化器内科准教授になった山野泰穂(ひろおって読む)先生だった。冒頭、赤十字病院から出身大である札幌医科大に呼び戻されカルチャーショックを受けた話が出た。変哲もない(ような)大腸ポリープのスライドが出て「これを当時の先生は単純なポリープと判断し放置しちゃったんですねー。それから数年後の写真」と出されたスライドには立派な大腸癌が・・。「最初のスライドですでに粘膜下に浸潤した大腸癌って一目でわかりそれは常識だと思っていたんですがここではそうではなかった」と。秋田赤十字はあの工藤進英先生が大腸癌診断の一大拠点としてトップをいっていたからナ。
今回の講演のテーマは「大腸鋸歯状病変の診断と治療」でこれが私には非常に面白かった。大腸癌になる経路として有名なのが腺腫性ポリープから癌化するパターンで他にも正常粘膜から直接癌化する(これを工藤進英先生が提唱し衝撃を与え今は定着した)のと最近言われるようになったのが過形成病変(中でも鋸歯状病変)からの癌化でこれはなかなか分かりづらいものだった。それがスライドとスピーチでおおよそ理解できた。それに大腸は右側の盲腸、上行結腸と左側の直腸、S状結腸とでは例えば同じ鋸歯状病変でも癌になりやすさが全く違う(右側がなりやすい)というのも分子生物学的レベルで説明され非常に興味深かった。
半強制の会だからと串木野でのトリオリーグも休んでアンドキサMRに代わりを頼んだのもしっくりきていなかったが、やはりお勉強する機会があったらそうすべきだな。そうだ、鋸歯状病変のポリープを略語でSSA/Pと書くのだが、これを山野先生「PPAPじゃーありませんが」とさっそく取り入れていた。実戦派と学究肌がうまくブレンドされたえらい先生だったネ。
0 件のコメント:
コメントを投稿