2017年3月25日土曜日

イギリス体質

スリウェル君からの駐車場事件メールを見終わった後、土曜の当直に移った。忙しさはそれほどでもなく、夜は日本版「そして誰もいなくなった」前編を見ることが出来た。日本の現代風に上手くアレンジされており見応えがあった。孤島にいて外界と連絡出来なくさせるために主人が携帯を預かるというシチュエーションにしたか、なるほど。初めて原作を読んだのは40年前で細かなところは忘れているが、不可解性、サスペンス、意外性などクリスティーの代表作にふさわしく、それはTVドラマでもちゃんと感じられる。ただ、ポワロもミス・マープルも登場しないのでいわゆるクリスティーらしさはあまりなくどちらかといえば異色作だ。ビートルズでいえばアルバム「サージェント・ペパー」のような作品かな。「ペパー」は代表作といわれ傑作ではあるがビートルズらしくない曲が多く異色作というほうがぴったりくる。同じく傑作でも「アビーロード」の方が親しみやすい。

でも、「そして誰もいなくなった」も「サージェントペパー」も後生の作家やミュージシャンに与えた影響は計り知れない。「そして・・」は閉ざされた空間で殺人が起きるクローズドサークル物とマザーグースの歌のとおりに人が殺される見立て殺人物の代表となった作品だし、「ペパー」はコンセプトアルバムという概念を初めて導入し多くのミュージシャンが模倣した。

以前も書いたが私が好きでハマった作家やアーティストはほぼ全部イギリス出身者だ。上の二つの例の他、映画ではヒッチコックや007シリーズなどもイギリスである。アメリカやフランス物にハマったというのは少ない。高校同級生のコリーダ君はアメリカのミステリー作家エラリー・クイーンが好きで私に国名シリーズ10冊を貸してくれたが私は3冊まで(「ローマ帽子」「フランス白粉」「エジプト十字架」)で断念した。アメリカのミュージシャンでいえばいろんなタイプを好むけれどハマったと言える連中はいない。よく分からないけれど私はイギリス体質、そんな気がする。

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