2024年7月20日土曜日

忙の日

土曜だが午前は外来、午後は日直だった。これが忙しパターンの典型で、午前は発熱コロナ外来、午後は救急と重症患者が多く、事務当直のケノ君が「今日はひっきりなしに電話が掛かってきます」と驚いていた。ま、この暑さと湿気じゃそうなるだろうと予想はしていた。

遠くさつま町から珍しく腹痛の救急搬送依頼がありそれを受けたはいいが、1時間ほどかかり待っている間、姶良の救急隊からトイレで心肺停止になっている患者の受け入れをお願いしたいとのこと。二次当番病院が都合で受けられずこっちが引き受けた。なにせその人は息をしていないわけで、どうのこうの言ってはおられない。で、その2台がわずかの時間差でやって来た。当然心肺停止の方を優先して対処する。しかしいったん心拍はちょっと戻ったものの結局はダメだった。↓は救急隊員が白板に記載していた経過記録。

この2台の救急に加え、飛び込み外来で顔面の違和感とまぶたが閉じにくいという顔面神経麻痺(ベル麻痺)ぽい患者も来ていて、CTやMRIの指示を出しつつ、亡くなった人の家族に説明をしていた。腹痛患者は入院が必要でその指示出しをして顔面麻痺の患者の診察をしようとしたらもう一人若い男性の飛び込み患者が救急外来に来ていた。脚立から落ちて怪我をしたんだという。担当のカッコちゃんNsがその右腕を見て「これはウチではだめ。整形外科医のいるところでないと」と口走っている。通りすがりにチラと見ると、腕を打撲し大きくえぐれ、骨が見えていた。骨が見える骨折はここでは対処できない。きちんとした清潔操作と処置が必要で、整形外科病院でないと。超ベテランのカッコちゃんNsもいつもと違ってあせっていたな。姶良市内の2ヶ所の医療機関に相談するもどちらも対応不可で、鹿児島市内の大きな病院に行ってもらうことにした。

その間、脱水&熱中症で点滴をしている患者らも点滴が終わり帰るころになっていた。午前中、ゴルフをして、庭仕事をして、田んぼを見に行って、みーんな熱中症になって、正午前後に病院に来ていたのだ。夕方16時過ぎになって私は一段落したと思ったらカッコちゃん「あと6名います」と言うではないか。何ぃ。「そのうち2名はもう17時半の外科のカムイDrが来てから診てもらいます。縫合が必要そうですから」という。そうか、そうしてくれい。しかしそこに「94歳の母親の様子がおかしくて」という母娘が飛び込んできた。なんでも姶良の山形屋ストアにいっしょに買い物にいって母を車に乗せたら言葉が出なくなったという。歩けてもいたのに今は歩けないとも。それって脳梗塞ぽい症状だ。この暑さで外に超高齢の親を出したらいかにも起こりそうじゃないの。いったん帰っていた放射線科のラブフラ技師をまた呼んでMRIを指示した。しかし当直交代の17時半までには撮影を始められなかった。それで交代のカムイDrに「かくかくしかじか・・後をよろしく」と電カルに書いてようやく午後日直業務を終えられた。

今日の午後は時間があれば今度の月曜朝礼の院内勉強会スピーチの原稿スライドを作れたら・・と思っていた。しかしクリック一つ、手も付けられなかったわ。日当直日誌を付けて、帰る間際、先ほどの超高齢患者のMRIが気になって画像を見てみた。うーん、専門外の私が見ても左の脳梗塞を起こしていると分かる。外科のカムイDrは画像を脳外科オンコールのポンシンDrに送り治療の指示を受けることだろう。交代時間があと30分遅かったら私がそうする役目だった。

いったん日直や当直をすれば、院長だろうが研修医だろうが、こんな忙しさにまみれることは十分にありうる。でも2ヶ月前の5月25日の土曜日直はかなりヒマでアイマスクを着けて居眠りばかりしていた。そんな日直もあり、それも日記ネタになった。今日は忙閑の忙の日だったネ。

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