夕食時、カールは「昨日はすごく疲れていたぁー」と言っていた。そりゃ、1週間くらいの全国縦断(?)旅行は疲れただろう。「でも今日は元気」と語り普通にビールを飲み、ご飯を食べていた。しかし、しばらくして何げなく眺めると、彼女は顔をゆがめ、あまり見たことない表情をしていた。そしてすぐにその場を離れトイレ方面に向かって行ってしまった。ちょっともよおしたかな?
私はさほど気に掛けずTVでNHKのW杯デイリーハイライトを眺めていた。なんといっても日本が勝った後のハイライトだから気分がいい。そんな調子で床のビーズソファに横たわっていたのだが、あまりにもカールの帰りが遅い。テーブルを見ればまだおかずが半分以上も残っている。おかしいなと思い、トイレを開けるといない。あはぁ、2階で寝てしまったのか。でもご飯を残したままというのは滅多にない。寝ているのかだけ確かめてみよう。
階段を上って2階廊下に来てギョッとした。なんとカールは廊下に横たわったまま眠りこけていたのだ。近づいて「おい、カール、寝ているのか。大丈夫か」と声を掛けても返事がない。ただのしかばね・・いや路上で寝ている泥酔サラリーマンのようだった。少し揺さぶって「なんでこんなところで寝ている?」と声を掛けても、またムニャムニャ言って「何を言っているか分からない」との返事はあった。どうやら生きてはいるか。
こりゃ参ったな。このまま放置プレイするわけにもいかないし、寝室に運んで布団まで運ぼう。しかし、ここで私は思い知った。全く動けない人体ってすっごく重い。カールはたぶん体重50kgもないはず。しかし、だっこしようにもおんぶしようにも持ち上げられやしない。両腕を抱えて引きずるように寝室までの3、4mを移動させるのがいっぱいいっぱい。↓料理着のままで寝ているカール。どうにか布団に寝かしつけても20cmほど足が出ていたのでちゃんと枠内に入れようとするのにも簡単に動かせない。これが逆の立場だったら私は80kgもあるしカールは一人では動かせなかっただろう。いやー、例えば死体を移動させるってそう簡単にはいかないものなんだ。だから死体遺棄の際にバラバラする事件が起きるのかとさえ思ったよ。しかしカールのこんな様を見るのは初めて。そんなに飲み過ぎたようでもなかったのにー。やはり疲れが残っていたのか。下に降りてカールの食器を片付け&洗浄した。おそらく彼女は単に疲れとアルコールでバタッと寝入ってしまっただけだろうが、もし本当に倒れてしまったらと思うとゾッとした。日付が変わって様子を見に行くと、ちょうど覚醒したころで「なんで私はここに寝ているんだろう」と廊下に寝ていたことは全く覚えていなかった。デジカメでその様子を見せると驚いていた。でも疲労感はまだあり、またそのまま寝てしまった。そしてそのまま朝まで起きてこなかったのだ。いやはや・・。
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