2018年9月26日水曜日

史上最高のドラマは?

NHK朝ドラ「半分青い」は最終週に入ったにも関わらずドラマチック展開が続き視聴者を驚かしている。月曜は娘の学校でのいじめ問題が提起されるもあっという間に転校で片を付け解決早かったし、元同じ漫画家仲間だった裕子(ユーコ)が仙台の病院の看護師となって働いていて、先週なんだか妙に主人公鈴愛(すずめ)と永遠の別れもあるのかといったトーンのシーンがあったので「もしや東日本大震災が出てくるのか」と思っていたらやはりそうだった。地震発生後、ユーコが行方不明でみんな心配するもなかなか判明しない。残り4日で終わるドラマだから結局は見つかって・・など思いつつも出勤前で「もう、遅刻するから出るわー」と玄関から庭に出て車に乗ろうとしたら、カールが窓からこう声掛けた。「ダメだった・・」ああ・・まさか、いや、やはり・・。

他のドラマなら1ヶ月以上はじっくりかけて取り上げるテーマも、「半分青い」では長くても1、2週間で一応の結末を迎え、今月など下手すりゃ1、2日で解決だ。それに女主人公が好きになったり付き合ったり結婚したりする男性が4人も出てくるって朝ドラにはなかった。相手役はずっと1人か普通2人くらいでしょ。だから「朝ドラらしくない」という批判もあったらしい。でも私は目をクルクルさせながらも面白かった。次はどうなるんだろうという興味の方が勝(まさ)った。視聴率もここ数年では一番良かったのも私と同様の受け止め方をしている人が多かったということだろう。

視聴率が全てではなく、私自身が朝ドラで一番好きだったのは以前は「ふたりっ子(1996)」でそれに次ぐのが「ちゅらさん(2001)」だった。それ以降は朝ドラはたまに見る程度だったのが、毎回見るようになったのが「あまちゃん(2013)」で今のところこれが一番好きである。
未だに全回を録画したまま消していないし、本も2冊買ったし、わざわざ岩手までロケ地を観光に行ったのも唯一のことだ。「あまちゃん」は視聴率回復にも役立ったが、それ以上に朝ドラ史上もっとも意義がある作品のような気がしてならない。このドラマを見ている時不思議だったのは、朝見てもまた夜見てみたいと思わせたことだ。一度見てストーリーも分かっているのに見ても飽きなかった。コメディータッチであるにも関わらず地方の再生や東日本大震災をテーマにも持って来ていた。私は第2週の10話くらいからたまたま見始めて面白いと思い欠かさず見た。幸い早めの再放送があったので第1話から視聴、録画も出来たのは本当に良かった。

ついこの間、元AKBの前田敦子と結婚したのが俳優勝地涼だが、「ああ、あの『前髪クネ男』ネ」とすぐに役名が出てくるのも「あまちゃん」を見ていたからで、驚くのは出演したのはたった1話のみということ。ネットでも「あっちゃん結婚って、前髪クネ男となの!?」「勝地くん、あっちゃんおめでとう~~!!!!前髪クネ男幸せになってな!!」「あー!旦那さん前髪クネ男だった人か…!」などどんだけインパクトがあったかだ。「あまちゃん」の持つパワーの一端である。
(前髪クネ男に扮する勝地涼↓本来の役名が「TOSHYA」と覚えている人は誰もいない)

週刊現代が今年年頭に特集した史上最高のドラマは何?で「50年近い歴史の中からドラマ評論家や有識者など11名が1位から15位のドラマを選びそれを加点して選定した」ところ「あまちゃん」が堂々の1位になったとのことで我が意を得たりだった。いずれも日本のドラマ史に残る人気作、名作ばかり100作品がリストアップされドラマの目利きたちが投票した結果なので意義がある。ちなみに2位は「傷だらけの天使 」(1974日テレ)、3位は「俺たちの旅」(1975日テレ)、4位「北の国から」(1981フジ)、5位「淋しいのはお前だけじゃない」(1982TBS)、6位「すいか」(2003日テレ)、7位「早春スケッチブック」(1983フジ)、8位「高校教師」(1993TBS)、9位「東京ラブストーリー」(1991フジ)、10位「寺内貫太郎一家」(1974TBS)という順位だった。

朝ドラは半年という長いスパンの作品だしテーマがぼやけることもあってなかなかアンケート上位には来にくいのにすごいと思う。それと「半分青い」では後半次々に登場人物が死んでいったが、「あまちゃん」では誰も死ななかった。同じく大震災を取り上げたにも関わらずだ。コメディーであることを全うしたことになるし、「あまちゃん」はまさに希有な作品だったと思わざるを得ない。

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