2017年9月1日金曜日

名作「高校生クイズ2017」

毎年この時期に放送される日テレの「高校生クイズ」、今年はまれに見る激戦で特に決勝に残った3チームは10問先取で各チーム8問獲得で横並びになるなど最後までハラハラドキドキの展開だった。

鹿児島はというとこれまでほとんどがラ・サールが出ていたはずだが地方予選で敗れたようで鳳凰高校が出ていた。この時点で鹿児島の優勝はないか。高校生クイズは現在は2人1組の出場で幅広い知識は当然、機転、運、体力までも必要になるが、優勝までとなると各校のクイズ研究会などでクイズ番組向けの専門的な練習、鍛錬をしないと相当厳しい。例えば「アメリカ合衆国には51の州がありますが・・」と問題が出された時点で早押しボタンをポン!と押し、「31!」と答えるくらいは当たり前でないととても無理なんである。これは2ヶ月程前ローカルTVでラ・サール高訪問の際に部員がこともなげに解答していた。(前置きから「ではメキシコ合衆国にはいくつの州があるでしょう」という問題推測をしているのである。なぜメキシコと分かるのかというと世界に『合衆国』はアメリカとメキシコしかないからである)このようにラ・サールは出場さえすれば上位には行ける力を毎年持っていたんだが。

本戦出場できた60校に入っても1回戦でいきなり10校にふるいに掛けられる。これも早押しができないと勝てない。2回戦出場校をみると開成、灘、東大寺、宇都宮など進学校かつ常連校がやはり残っていた。
その中で目を引いたのが新潟県立新潟高校の男女ペアの色白の美人髙橋和子さんだ。
スタジオの芸能人らもほーぅと声を上げていた。それと3年連続ペア出場の三重の桜丘高校の男女ペア(木多祐太・中島彩)の中島さんも可愛い。こりゃー、番組スタッフはよくぞ残ってくれた、だったろうな。高校生クイズも一時期スタジオ内で超難問オンリーに切り替わったことがあった(2008ー2012)。それはそれで面白さはあったが見た目が進学校のクイズオタク男子ばかりで華がなく視聴者が置いてけぼりになる弊害もあった。ここ数年は女子が得意そうな問題を多く出したりするのでかわいい系女子高生も結構出てくる。ラ・サールが鳳凰に負けたのはスタッフの意図に破れたといってもいのではないか。ラ・サールクイ研の生徒はそこ(女子力)を鍛えないとと語っていたがうまくいかなかったってことだね。

番組盛り上げのためには常連男子校、男女ペア、女子ペアなどバランスよく勝ち上がって欲しい。これがおそらくスタッフの希望だろう。今年はそれが見事にはまった。偶然だろうか。いや、私がみたところ明らかに女子に有利な設定もあった。アメリカに渡りホテルでの夕食の様子が出てきた。実は参加者にはそれが問題とは知らされていない。なんとテーブルマナーを守られているかが後で指摘され、3つとも守っていれば自動的に準決勝進出、2つなら2ポイント獲得、3つともダメなら0ポイントでそこから早押しクイズで選出するパターンだった。昨年優勝で今年も開成とならんで優勝候補の灘は全部ダメで出遅れた。男子はだいたいガサツだし中学から親元離れて寮生活なんかしていれば覚える暇はないやろしね。笑ったのは新潟高校で女子の髙橋さんはメロンときちんとナイフ、フォークで切って食べているのに男子の金井君、手づかみでメロンをがっついていたよ(爆笑)。
桜丘は男女ともマナーをクリアしクイズなしで準決勝に進出し、さらに準決勝では恒例のばらまきクイズが行われ、灘が2回も問題が入っていないハズレ封筒を拾い運がなく脱落。決勝は開成(男子ペア)、桜丘(男女ペア)、筑波大付属(女子ペア)の3校になった。スタッフにすればまさに願ったり叶ったりだった。

決勝は筑付と開成が出だし好調だった。しかし桜丘も追い上げ5問同士で並んだ。おお。しかしどうせ開成がここから抜け出すんだろうなとみていたが意外に競る。筑付の女子も健闘し一時8問獲得と先行した。その後なんと3校とも8問で並ぶ超大混戦。こんなのは見たことない。たいてい1校は数問しか答えられず早々脱落するのがいつものパターンだからだ。
しかしついに開成が9問先取し優勝にリーチをかけた。ここの問題が「チアダンスなどで目にする脚を大きく・・」で桜丘の中島さんが早押し!「トータッチ」で正解。9問で開成と並んでリーチとなった。さあ、この次が今回の白眉。スタッフが用意した問題に深い意図が隠されていた。

「プラハで開かれる有名な展覧会で4年に一度開催される・・」ピンポン!開成がボタンを押した。ああ決まりだっ。答えは分からないけれど普段なら開成が正解を出して優勝になるはず・・だった。
だが正解と思われた「プラハカドリエンナーレ」はブーッ!不正解だった。実はややいじわる問題で質問の続きがこう。「・・開催される『プラハカドリエンナーレ』が次に開かれるのは何年?」で正解は2019年だった。早とちりに頭を抱える開成。
しかしこれ、きっとリーチかかった学校をハメる目的で作られた問題だろう。失敗した開成は8ポイントに減じられ桜丘のみがリーチとなった。でもここから開成は底力を見せる。「日本の理化学研究所の創成期を支え理研の三太郎と呼ばれた3人の科学者は誰?3人とも答えなさい」を見事に正解する(長岡半太郎、鈴木梅太郎、本多光太郎)。これで9問またもやリーチだ。これは開成、桜丘どうなるか分からない。視聴者としては桜丘に肩入れしたい。女の子が可愛いし開成は難問時代に3連覇するなど常連過ぎて判官贔屓もある。

最終問題は高校生クイズにちなんだ問題だった。

「高校生クイズで優勝して打ち立てたい『金字塔』・・」

まだ問題にもなっていない段階かと思われたがここで桜丘が早押しした。押されて私も答えが分かった。しかし桜丘の早押しには絶対勝てない。こいつら相当練習してるぞ。答えは「ピラミッド」のはず。これは以前もクイズで出たことがありピラミッドが金の字の形に似ていることから出来た造語というのは知っていた。で、正解はやはりピラミッドだった。その時の中島さんの表情が何とも言えなかった。うれしいよりも呆然としているんだ。え、まさか私たちが優勝?・・。
しばらくして笑顔、そして涙。いやー、良かったねー。

がっくりうなだれる開成だったが、枡アナウンサーの問いかけにさすがの返答をした。
「男子校の友情ではカップルの愛は突破できない」ハハ、これって名言や。
いや、これで悔しさにじませ発言だと株を落とすところだったが逆に好感をもって受け入れられる。美しき敗者であるべきいい見本だった。

最後まで面白くも楽しかった高校生クイズ、実はそうなるようにスタッフが相当知恵を絞っているのがうかがえた。いい番組を作るには陰での努力が必要、きっとそうなんだよ。

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