2016年8月10日水曜日

「参った」は言わない

高校野球は樟南が京都昭英に意外にも9−1と完勝した。エースの浜屋が好投したようだが1回の攻防が大きかった。1回表相手にいきなり1アウトも取れないまま1点先制されランナー二三塁のピンチを京都のドカベン石原彪をどうにかゴロアウトに抑えてその後相手のまずい走塁で併殺にし最少得点に抑えた。これは樟南助かった。そのウラに3点入れて浜屋が逆に乗って来た。3、4点取られていたら樟南にプレッシャーがかかり逆の展開もあった。まあ、1回勝って良かった。これで樟南の関係者はほっとしていることだろう。

私立の学校経営において野球部の活躍は非常に大事なんだ。それを象徴しているのが体育祭での部活動選手行進で樟南には格闘技系(レスリング、相撲)や剣道、珠算など全国大会優勝経験のある部があるにもかかわらず最高準優勝(1994年夏)しかしていない野球部が必ず先頭で行進する。全国的にも樟南といえば野球だろうから当然かもしれない。レスリングで10回優勝するより甲子園で1回勝つ方がずっとニュースになるわけだからな。

オリンピックの柔道では女子の田知本遥の積極性に目を見張った。2回戦での第一シード選手オランダのポーリングに先にポイントを取られもすぐに攻め返した。日本人選手でここまですぐにやり返すタイプはいないような気がする。結局優勝までしてやはりなと思った。他に唸ったのは難民選手団でコンゴ民主(どこが民主がわからないが)共和国出身のポポル・ミセンガ選手。相手に腕を決められ「あー、これは決まっている」と実況も叫ぶのだけれどなかなか参ったを言わない。
おいおい大丈夫かいと思ってみているとようやく待ったがかかり試合再開。このままじゃポイント負けかという残り10秒で渾身の背負い投げで勝ったもんだからびっくりした。難民選手団初の勝利、観客は大拍手だ。参ったを言わなかった甲斐があった。すごい。

次の試合ではさすがに負けたが、ミセンガ選手は、試合後テレビカメラに向かって「僕は元気に生きている。気付いたら連絡してほしい」と、生き別れた兄弟へ涙のメッセージを送ったという。オリンピックで活躍すればどこかで家族が見ているのでは?というシチュエーションはドラマだけでなく現実でもあるわけだ。コンゴ代表時代は試合に負けると収容所に入れられたという。北朝鮮以外にもそんな国があったとはこれもまた驚きだった。

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