居丈だ薬品の消化器系講演会(REAL-TACの会)を聴きに東京まで出かけた。製薬会社からはこの手の参加をよく誘われるがタイミングが合わず断ることも多い。今回はたまたま都合ついて行くことが出来た。会場のホテルは新高輪プリンスで宿泊はあのホテルニューオータニだった。演題は気鋭の内視鏡ドクター4人が得意にしている分野で治療困難例をいかに克服したかの発表と若手時代にどのような研修や苦労をしたかという経験話を披露するもので自分の専門と大いに関わりもあり面白く4時間近い内容を一睡もせず聴いた。(ということはいつもは居眠りしている?)
ESDの慶応の矢作直久先生は東大研修医時代はさほどいい環境でもないところで膨大な内視鏡検診をこなさねばならなかったのに対して自治医の山本博徳先生(ヒアルロン酸局注、小腸ダブルバルーン内視鏡)は内視鏡をしたくても派遣先で週1の内視鏡をするくらいという不遇な環境だった。しかし極端な違いはあっても内視鏡に対する熱意があれば立派な業績を上げられるということだ。昭和大の井上晴洋先生は食道アカラシアのPOEM治療開発者で私はその弟子の福大塩飽Drに自分の患者を治療してもらった経験があり感慨深かった。すでに800例以上のアカラシアを治療しているというから驚異的だ。アカラシアは年によくて数例くらいしか経験しない病気だからね。ERCPの札幌手稲渓仁会真口宏介先生も数年前鹿児島での講演を聴いたことがありその時同様細かなテクニックを駆使する内容に感心した。4人の講演とも日本の内視鏡の先進的技術の素晴らしさとこの国が努力次第で結果が出やすい環境にあることが実感でき、30代くらいの内視鏡医に是非聴かせたい内容だった。
終わって懇親会ではさっさと立食を済ませ、今回私の担当だった居丈だ薬品の新人MR三高君と高校野球ネタを中心におしゃべりした。彼は香川の普通校三本松野球部出身で本来なら甲子園出場は滅多に出来ないはずが2005年春のセンバツに21世紀枠で出場するという強運に恵まれたのだ。私は甲子園オタクだからその高校名くらいは知っていて甲子園ネタで盛り上がった。MRも私と薬の効能くらいしか話しの接点はなければすぐに話題も尽き面白くなくなるのだが、彼の経歴と私の趣味が一致しただけで十分に楽しい時間が過ごせた。何の役にも立たないようでも何でもやっておくもんだ。営業が仕事の人は特にそう思う。よかったな三高君。
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