2015年1月26日月曜日

なぜ和食が無形文化遺産か

今日から新しいパソコンバッグになった。毎日通勤用に使っている黒のバッグを何年くらい使ってきたのだろう、あまりにもくたびれていてカールが買ってきてくれたのだ。色は同じ黒でほんのわずかコンパクト。使わずただ入れていた小物を取り出し必要なものだけ入れ直した。見た目もきれいでちょっとはましな見栄えになった。

カールが東京の友人から聞いた話で、その友人の夫は板前で互いに遅くに結婚し子どもは出来なかったけれど互いの仕事も順調で充実した生活だという。カールが驚いたのは和食の料理人の世界にも流派のようなものがあって盛りつけ一つでどこの店の流派か分かるんだそうだ。その友人の夫は「追いまわし」という仕込みや盛り付けなどの雑用全般から始め店の料理長(厳密にはこのクラスを『板前』と呼ぶ)に招かれるほどになったとのことでこうなれば例え店を代わっても安定した収入があるのだとか。ふーん、昨日のモツ鍋店ですら修業15年を謳っていた。和食全般となればもっと年月がかかるものなんだろう。マスコミやTVなどに出られる有名料理人なんかどれくらいの修業を積んできたものか。

日本は料理人へのリスペクトがあるからいい。例えば韓国などは料理人の地位は低い。ていうか、もしそれで成功して大きな店を持ったとしても親は子に勉強して社会的地位の高い職業に就かせるよう努力する。例えば数年店で働きノウハウを教えいよいよこれからというときにその子の親が出てきて「子供をこんな職業に就かせるために育てたわけではない」と辞めさせることがあるという。儒教精神のもと、科挙以来の官吏が一番で職人を蔑む文化が連綿としてあるのだ。何年も修行し技を極めた料理人が尊敬を集め、飲食店を手広く手掛ける経営者が一定のステータスを得る日本とは違う。日本料理が世界で評価され和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのも料理人を尊敬する文化があるからで逆に韓国料理が大衆店レベルでとどまっているのはそんな背景があるからだと思う。美味しいものが食べられる日本に住めて良かったなあ。

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