今日の放送のお題は「紅葉(こうよう)の日光いろは坂」だった。多くの芸能人が事前に作った俳句を才能アリ、凡人、才能ナシに分け順位を付けるが最下位の才能ナシ・ゴリ(ガレッジセール)の「秋いろは 山部が続いて 蛇を出す」には「伝わるものがほとんどない」と酷評し「秋天や 蛇の如くに いろは坂」と手直しした。明らかに手直し作の方がいいのが素人でも分かる。第7位の才能ナシ・児嶋一哉の「いろは坂 秋めくランプの コードかな」は”秋めくランプ””コード”で比喩が二つとなっていると指摘し「妻と行く 山は秋めく ランプかな」と直した。素人はやたら比喩を使いたがったり、すぐ”夢~”とつけたがると、3位評価の渡辺徹の「日の光 初のドライブ 夢紅葉」を「初めての ドライブ紅葉 光る窓」と添削したりした。俳句は17文字しかないから一文字一文字に神経を行き届かせる必要がよく分かる。
で、今回の才能アリ、1位は俳優の野間口徹だった。この人は去年「あまちゃん」で岩手のやたら業界人ぽいTVディレクター役をいかにもそれっぽく演じて印象に残っていた。それにオタクしか見ないAKBSHOWのコントでもTV業界人役で出てAKBメンバーに振り回される役を好演していた。それがこんな番組に出ているとは知らず、しかも以前はいつき先生に酷評されたこともあったという。しかし今回の「曲がっても 曲がっても燃ゆ 紅葉坂」はいつき先生、シンプルにかつ安易に比喩を使わず風景に入り込んだ作品で「今まで褒めたことなかったけど今日は褒める」と絶賛していた。確かに。
私は国語は好きだったけれど俳句や短歌を作ろうとしたことはなかった。でもこの添削や教えを聞いていると自分で作るのも面白そうだ。感性豊かな時代にこのような先生と出会っていたら俳句好きになって下手すりゃ俳人になっていたかもと思わせるほどで、これはひとえに夏井いつき先生の力だろう。先生たるものかくありたいものだ。
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