カールが「今度、松山に行ったらフレンチの美味しい店に行こう」と言ってきた。
「松山?」瞬間、四国の松山を最初に思い浮かべたが、私たちは一度も四国に行ったことがないのでそれはない、あ、そうか知覧町の松山地区にそんなフレンチの店が出来たのか、最近カールはチエコンさんと会って知覧で食事しているからそこからの情報か・・そこで「ちょっと待って、松山と言うけどどこの松山だい?」と確かめた。
すると、「那覇の松山よ」と。ああそーか、沖縄は那覇の繁華街の松山の話だったか(台湾の台北にも松山はあるがさすがにそれはない)。「今度、沖縄に行った時は絶対に行きたいのよ」という。なんでも最近沖縄にも高級フレンチ店があって那覇市だけでなくてうるま市や宜野湾市、名護市などにもそれぞれがオープンしていて最低2万はするんだとか。東京あたりからシェフが移住して店を構えているらしい。へーーえ。「名護とかうるまは行って帰るのも大変だけど、松山だったら那覇の家から歩いてでもどうにか行けるじゃない」と。なるほど、それはいいね。
で、私が「そんな高級店があちこち出来ているなんて沖縄も豊かになったんだね」と感想を言った。「そうかしら」とカールは言うが、私も沖縄を36年前から知っている。以前はそんな店は見たことも聞いたこともなかった(私が知らないだけかもしれないが)。そう実感するのだが果たして統計的にもそうなんだろうか。
調べてみた。一人あたりの県民所得でみると、意外にも沖縄はずーーーっと全国最下位なんだ。あれ?平成以降、令和になってもこれは変わっていない。ちなみに鹿児島はビリから4番目。沖縄が復帰する前は全国最下位をいつも争っていたくらいでともに貧乏県と言える。ただ、全国平均との差は沖縄も50年前よりずっと縮まっている。沖縄が県民所得で最下位を脱出するのが難しいのは人口減少率が全国でも一番少ないこともあり(子どもや老人が多いため所得がない人の割合が多く)そもそも統計上分母が大きい。大きな機械産業、製造業を持たず島嶼(とうしょ)地域でありさまざまな労働生産性が低くなりがちで企業所得も計算される一人あたりの県民所得は低くなる傾向にある。
そして50年ほど前比べ各県の所得格差はずっと縮まっているのである。そもそもだが県民所得の全国平均を上回っている都道府県は東京、愛知、栃木、静岡のたった4県しかない。東京がダントツで最下位の沖縄の2倍以上だ。しかし↓のグラフでも分かるように各都道府県の職差ってそんなに極端なものではない(東京を除く)。日本は他国と比べ地域格差が少ない国なんだ。
沖縄は実は軍用地からの所得もあり財産所得はやや多くビリではない。財産所得は県民所得には入らない。県民所得という観点からだと沖縄は相変わらず貧乏県だが、実感として昔より豊かになっているという感触はあながち間違ってはいないということだ。カールは沖縄には所用でちょくちょく行けるけれど、私といっしょとなると今のところ決まってはいない。でも次行った時は絶対「松山」でフレンチを食べるぞー。
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