金曜は外来担当だ。今日はそこまで患者数も多くなく、2週間前に慢性下痢の患者に出した処方がうまくいったと喜ばれ、「なかなか良い出だしだ」と思っていた。だがー。
いったいなんなんだろうねぇ。高齢者の重症患者がこれでもかと宛(あて)がわれ、その全てを自分が受け持つわけにもいかず、各ドクターに振り分けどうにかしのいだのだった。
朝一の救急で運ばれた高齢女性は事前に採血指示は私が出したが、非常勤外科医の苦労しますDrに「すまないが診てほしい」と頼み、10時過ぎに救急で来た高齢独居男性は震えが強く脳神経疾患の疑いもあり脳外科のポンシンDrに診察を頼んだ。その間、近隣クリニックから肺炎疑い高齢男性が紹介状持って来て胸部CT指示を出すと確かにほんまもんの肺炎で入院が必要だった。脳神経疑いの患者は「実はそうではなかった」とポンシンDrが私の診察室に来たが「すまない、肺炎の患者の入院があって・・」とその後の対応を頼んだ。ちょうど腹部膨満の高齢男性を診て欲しいと別の近隣クリニックから紹介を受けていたからだ。その患者、紹介状を読んだだけで前立腺肥大による尿閉&膀胱拡張ではないかと思った。「尿は出ている」と書かれていて尿閉ではないような文言であったが、「いや、たぶん尿閉による膀胱腫大だ」と診察前にCTを指示した。するとズバリだったのだ。こうなればあとは泌尿器科Drにお願いで、患者本人に事情を話し診察室には入れずに泌尿器科へ誘導させた(後で聞くと導尿で1400mlも排尿があったらしい)。この時、隣の青雲荘から肺炎患者の診察も依頼を受けていた。きちんと手順を経て診ようとすると患者さんも渋滞を起こす。ところがその肺炎患者というのが入院前のコロナ検査で「コロナ抗原陽性です」と連絡が来たではないか。ぎゃはは、これは私の手に余る。カワゼンDrに入院治療をお願いした。
結局、昼食は13時45分ごろになり、その後ようやく休憩出来ると思ったら、難ガター検査科長が「先生、14時から感染症会議が・・」と来た。「すまん、今日は出たくないていうかちょっと休ませてくれ」と頼んだ。毎週毎週その時間に出席しているが、医師にも「働き方改革」ってのがあるよねー。休むべき時には休む、それに何でも自分で診ようとしてはいけない。パンクするしネ。
15時から午後の外来を再開し、外来患者自体は少ないが重症患者が2人来た。そのうちの1人は単なる嘔吐と食欲不振と思われたが、採血結果で検査室から速報が来た。いわゆるパニック値というやつだ。すぐに入院指示を出し、腹部CTの指示も出した。総胆管結石による急性膵炎だった。後で分かったがもう1人の患者も総胆管結石でそれは苦労しますDrが入院指示を出してくれていた。
実は17時半から病院の理事会が予定されていてそれには遅刻や欠席は許されない。病棟に行き、指示を出し終え、医局でスーツに着替えて会議室に着いたのは会の1分前だった。ふう・・。
さすが名医
返信削除たまに紹介状を見ただけで病名が分かることってありますねぇ。ま、ただの経験値ですって。
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