学生時代、最大の苦手科目は数学だった。逆に得意なのは社会と国語で典型的な文系タイプだった。しかし、英語もさほど得意ではなかったのだ。鹿大の1978年の入試では共通一次開始前年ということだったせいか英語では選択肢問題が大幅に増えそれまでと違いかなり易しくなって得点を稼ぐことが出来て、私は助かった。でもすぐにメッキは剥がれて、大学1年の最初のテストでクラスで英語の再試を受けたのは私ぐらいだった。英語は必修なのでそれはどうにか乗り切ったが、その後も英語は苦手で医学論文なども読むのが苦痛だった。ヒアリング、スピーキングもほとんど出来ない。自分が受けた当時の入試にはその手の問題がなかったのは本当に良かった。そんなこんなで、英語は聞けない話せないという状態は(まあ日本人の大部分がそうだと思うが)ずっと60歳過ぎまで続いている。
ただ、20年ほど前、偶然「英語は絶対勉強するな!」という英語学習本がベストセラーになってその本にあった英語学習法を付属CDを使ってお勉強をしたことがあった。最初は耳を英語に慣らす(英語耳になる)ために、「1日1時間」など決めてひたすら付属のCDを聞き、例えば、子供が親のいう事に耳を傾けるように、英語を耳で受け止めるような感じで耳を慣らしていくということをするのだ。自宅でそんなことをするのはかったるいので通勤時の車中でCDを流してなんと半年間ずっと聞いていた。往復で40分、月20回x6の4800分(80時間)聞き続け、本には「ある日、英語の音の一つ一つが鮮明に聞こえるようになる瞬間がある」というような記述があったが、私にはついぞそんな瞬間は訪れなかった。あれから20年、そのCDはどこに行ったのだろう。この前、外来で女子高生が持っていた単語帳「ターゲット1900」を見てネットでいろいろ調べてみると「DUO.3.0」という例文の中に単語を交ぜて覚えるという本が非常に優秀で20年以上も売れ続けているとあった。YouTubeでも多くの英語系YouTuberがこの本を推薦していた。この本、確かチッチの机で見た気がすると思って探すと、あった。全部で560の例文があってこの中に単語1572語、熟語997語が散りばめられ、しかも1回使われた単語、熟語をほかの例文で使わないという徹底ぶりで最小限の英文を暗記することで最大限の単語数を覚えられるという趣旨らしい。ただし、英語系YouTuberによると単語や例文をじっくり覚えようとするのはダメで「どうせ忘れる」という考えが大事で、早めに560例の文をとおってまた最初から繰り返しをたくさんするのがいいという。ふむふむ。最近のYouTubeは非常に役立つ内容が多い。ていうか、YouTuberらも例えば「ポイントは3つあって」とかしっかり要点を押さえるし、10分から15分程度にまとめて見る気を起こさせたりと有名どころはさすがだ。
チッチのDUO.3.0は全くを手を付けられてなく、裏表紙に名前が書かれているだけだった。ぱらぱらとめくって例文を読んでみる。出だしは「We must respect the will of the individual.」で「個人の意志は尊重しなければいけない。」の意味である。全部で45のセクションに分かれ、それぞれの内容は同じようなテーマの文章になり、文学、政治、科学のようなややお堅いものから男女のケンカがメインの口語表現も多く登場する。登場人物にはBob(ボブ)がよく出てくる。Bobは臆病で周囲からはやや軽蔑されたりしている。例えば「Bob felt embarrassed when he was teased in front of some girls.(女の子の前でからかわれて、ボブは恥ずかしかった。)」など、他にデートするつもりだったが残業でいけなくなることも(笑)。中には現実の有名人らしき登場人物も出てきて、「In 1995, Ando received architecture's most prestigious award.(1995年、安藤氏は建築における最も権威ある賞を受賞した。)」は建築家の安藤忠雄だろうし、「Excited fans were hanging around the rear exit hoping to catch a glimpse of Michael.(興奮したファンたちが、マイケルを一目見ようと裏口に群がっていた。)」はきっとマイケル・ジャクソンで、「From a humble background, John achieved worldwide fame.(庶民の身から、ジョンは世界的な名声を勝ち取った。)」はたぶんジョン・レノンのことだろう。
話を元に戻すと女の子でよく登場するのはJenniferだ。その例文の中に「"Jennifer deceived me!" "You should have known better than to trust her."(「ジェニファーにだまされた!」「彼女を信じないくらいの分別があっても良かったのに。」)というのがあった。「おおっ?!」と思ったネ。ジョン・レノンが作曲した初期の曲に「I should have known better」というのがある。当時の日本題名が「恋する二人」だったんだが英文からはまったく想像つかない。それで、以前チッチに「I should have known better」って文はどういう意味だい?って聞いたことがあった。チッチはすこし戸惑いながらも教えてくれたが私は忘れていた。「(君みたいな素敵な子がいたなんて)自分は迂闊だった(でも今は彼女になってボクはうれしい)」の意味なんだが、今回LINEでチッチにもう一度聞いてみることにし、また「このDUO.3.0という本がとてもいいテキストなのになんで手つかずなのか」を質問した。これで勉強しなかったなんてもったいない気がしたのだ。
すると「浪人の時に1年間使った後、予備校から2年目にも同じ本が配られたんだ」「同じのいらないって言っても決まりだからって言って新しいの配られたんだよねぇ」なんだそうだ。使い込んだ方は今でも手許に置いていて「ほら」と証拠動画が送られて来た。
ほう!ラインも引かれてちゃんと勉強していたんだな。チッチによると最初は「ターゲット1900」も使っていて浪人時代はDUO.3.0を使ってやはりとても役にたったんだそう。そしてこの本のCDもよく聴いていたとか。
日記ネタにしたことで自身関心が高まり、今日はほぼ1日英語関係のYouTubeを眺めていた。英語ペラペラのYouTuberらを見ていると自分でもやれそうな気がしてくる。若ければ・・いや60歳代で定年後に独学で上手になったYouTuberもいた。英語がうまくしゃべれればという昔からの願望は諦めるべきじゃないかもね。ちょっとは頑張ってみよかっ!
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