もう毎日コロナがらみの話題ばかりでイヤになるな。もっと他の話題はないのか。
そうだ、昨日入学時感染症検査に来ていた32才の女性だ。1週間前、麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎の抗体チェックで来院した。抗体が不足していればワクチン接種もするよう大学から言われているとか。そういう依頼は医歯薬系の学部の学生だろう。看護学部かなと最初は思った。データが出て少し話題が落ち着いたので「ところでどこの学部ですか」と尋ねてみた。すると「歯学部です」だと。へー!そのお年で歯学部に。当然他の学部を出て就職もしていたに違いない。そのあたりは聞かずとも想像がつく。いったいなぜ歯学部を改めて志したのかが一番聞きたかったが、あまりプライベートを深く探っても何なので「青雲会病院にも歯科口腔外科がありますよ」と話した。すると「私、歯科口腔外科志望なんですっ」と。ほう、その年で歯学部に行くだけあってそれなりに目標を持っていたようだ。「ならば将来うちの病院に勤務することもあるかもね。実際、これまで鹿大から女性歯科医も派遣されたこともあるしー」と教えてあげた。ただ、そうなるまでには少なくとも10年はかかるだろうがあり得ない話ではない。
私は鹿大歯学部1期生には友人が多い。なにせ入学年度(昭和53年)がいっしょで1期生とはバスケ部や麻雀などでおおいに活動し遊んだものだ。Mノ下君は確か2期生だが歯科医師会のボウリング月例会にたまに参加するのはそんな付き合いもあるからだ。
32才では遅すぎることはない。現に今派遣されている三口川先生も30代半ばで歯学部に入っている。回り道しても自分がやりたいと本気で思えたことを目指すことはこの日本ではまだまだ許されているし認められている。フランスなどではおよそ10代で方向付けがなされ下の階層はどうしても這い上がれない社会構造になっているそうだ。それでどうせ頑張ってもムダという心理からか、客相手にぞんざいな態度の仕事ぶりが彼の国ではよく見られるんだとか。まだ、この国は頑張れば希望を持てるようだ。検診女学生は私に少し明るい気分を与えてくれたヨ。
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